第73話 パソコン、踏んじゃった。

 ああ、これ、踏んじゃうな。


 そしたら、容赦なく、壊れちゃうな……ってー、わかってても。


 私は、フローリングに低反発マットを敷いて、寝転がってカクヨムしたかった。



 ドアの近くに、ノートパソコン、置き去りにして、母が夕飯だというのでそのまま部屋を出てきてしまった。


 そして、ちょうど昨日……部屋のドアを開けようとして、中が暗いのに気づき、照明をつけようとした。


 ううん、実はドアを開けた途端、反射的に足が滑りこんでいたの。



 そして、くっとなにかを踏んだ――なにかっていうと、それがパソコンだったのである。


 ああ、ああ。私の愛用のノートがああ。


 と、思ったけれど、そんなに体重をかけてなかったし、案外、無事だったかも。



 そう思うのも無理はない。


 なにせ私はノー天気のおおざっぱ(O型 説明書に書いてあった)。


 食事を終えた後って、なんかのんびりしちゃうのだ。


 で、スリープにしておいたパソコン、電源入れてみた。



 なにこれ。


 一瞬目を疑った。見たこともない画面が飛び出してきた。


 いや、いやこれは。憶えがある……。



 あれは、頭脳が二つ搭載されているという、実にいいノートパソコンだった。


 それを――私ったら、テーブルに置いてあったそれを、なんとコードに足をひっかけて、落としてしまったのだ。


 当然液晶が壊れて――今回のように――修理に回すことになったのだが。



 二千円、払って具合を見てもらったら、修理だけで、本体の値段とどっこいだというので、頭が一つきりの、新品を買った。


 あれは痛かった。


 なのに、懲りたはずの失敗をまたやらかしてしまった。



 これはね、もう自己嫌悪です。


 でも、この作品は、あと1万文字くらいで、賞の規定に達するので、頑張って書いてみたい。


 寝そべってね。



 だいたい、なんでこのように、投稿ようの文書を打ち込んでいられるかと言ったら、古くて扱い方を誰も知らない、厄介な代物を見つけて、なんとかカスタマイズしたのだ。


 てっきり、壊れてると思って、使わないでいたパソコン。


 使う人によるんだよ、機械って。



 グーグル先生とか、翻訳とか辞書とか、いろいろ機能がついてるから、日常に欠かせないのだ。


 あー、液晶がどうなったか、書いてなかったっけ……スタート画面からもう、だめ。


 マゼンタだの、イエローだののでっかいモザイクがかかったようになり、踏みつけちゃった、端のほうに、墨汁をこぼしたかのように、黒々とシミのようなものが映ってる。



 二度目だからわかる。


 これって、電気屋さんじゃなきゃ、直せないや。


 賞にむけて、頑張ってきたけれど、もう駄目だ……もう、諦めよう……そう思っていたときに、母がこのパソコンを出してきてくれた。



 今、29日の3:17AMだけど、諦めずにいじくりまわして、なんとか使えるようになった。


 ええ、まあ。微妙に絶対音感、あるので(絶対音感関係ない)。


 いや、退屈しのぎに、遊び倒した経験上、設定をいじっていれば、なんとかなるさと、明るい気持ちで取り組んだのがよかったな。



 うーん、でも……いじり始めたときに、Windows10の更新が必要で、再起動するっていうから、ぽけーっとしながらクリックしたら……なんとまあ、夜の9時過ぎから、次の日の夜11時すぎまで、画面が12%完了、と表示されたままだったのだ。


 なんだー? ウイルスじゃないよな。どういうこと?


 最初は戸惑い、2、3分ごとにチェックしていたが、そのうち5~7分ごと、15~30分ごとになり、1時間ごとにチェックしていたが、まるで変らぬ画面表示。



 もう、私、静かに切れましたね。


 電源をぶっちぎりました。


 しばらく、グーグルクロームが使えなくなったけれど、しかたない。それもいじっていたら、使えるようになったし、目障りな無断で表示されるアプリケーションも削除した。



 もう、これで恐れるものは……あった! 締め切り! 今、1600文字の表示が画面の右下に出ている。


 ネタがあるわけでもないのに、苦しすぎる。

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