第55話 買い置きのアイスコーヒー

 うにゃあああ!


 にがい~~買い置きのアイスコーヒーを常温保存しておいたら、まずい~~。


 食べ物に文句をつけたらいけないって言われても、吐き気がするう~~。




 つらい! うっとおしいかもしれないけれど、つらいんだよぉ!


 ダイエット3日目にして、お腹こわしちゃったよぉ!


 意図したのと違う痩せ方をしてしまうぅぅ!




 頬が漫画みたく、縦線いれたみたいに、血の気が引いていく。


 げっそりしちゃう。


 なんとかせねば!




 とにかく、買い置きのコーヒーはもう、飲まない。


 ただでさえ、過激なダイエットメニューなのに、これじゃあ2週間なんて、もたない……。


 ごく薄く淹れた、インスタントコーヒーの方がおいしく感じる!




 ふにゃぁぁ……。


 きつい。


 でも、がんばるぞ。






 さて、私、芥川賞が欲しい。


 なので、江戸川乱歩賞をとろうと思う。


 まじめに。




 さてさて、その江戸川乱歩賞が欲しているものとはなんであろう?


 それは傑作だ。


 わかるんだけど……傑作がなんなのかが、私の中に蓄積されていないので、このままでは書き始めることすらできない。




 しょうがないな。


 ミステリーは小学校の時に図書館にあるだけ読んだけれど、児童用の翻訳ものだった。


 しかも、アガサ・クリスティーだけは図書館の蔵書になかった。




 ミステリーの女王、アガサ・クリスティーを読んでいないとはなにごとかと、専門学校の講師は言っていたが、そんなことを考えて読書する年齢でもなかったし。


『モルグ街の殺人』は、つまらないと思うような児童だった。


 ものすごい怪力の犯人の正体がアレというのは興ざめで、もっと、推理を楽しみたかった。




 私は、シャーロックホームズが好きだったなあ。


『まだらの紐』とか、よかったなあ。


 あのシリーズはワトソンくんが、一歩遅れてついていくから、ホームズはヒーローなんだよなあ。




 ああいったものは、書けないから、アンチヒーローでいくかな。


 歴代の受賞作を越えないと。


 読書、どくしょ!




 ……アンチヒーローといっても、あくどいキャラの一人称でミステリーを書くのはいやだな。


 ましてや犯罪者視点の作品などまっぴらだ。


 胸くそ悪くて吐き気がする。




 読者がそういったものを求めていないとして、アンチヒーローはどうあるべきか。


 サブキャラが、これでもかと活躍するしかないだろう。


 作者の予想を超えた行動をとってくれないと、盛り上がらないと思う。




 そんな……ねえ。


 作者のもってないものを発揮するキャラなんて、書けるかというと、無理な気がする。


 私自身が自分を乗り越えなくてはダメだ。




 さて、どうするか。


 どこから、とりかかるか。


 トレーニングか、資料集めか。




 今、ミステリーと全然関係ない、美術の本読んでるんだけど。


 あと、カドカワムックの欅坂46を眺めて、欅共和国が観たくなっちゃってYOUTUBEさがしちゃったけど。


 2018年のダイジェストを観て、センターの娘に惚れたりしちゃってますけど。




 こういった蓄積が、いつか必要になるんだと、言われてる気がして。


 おもむくままに、吸収している。


 プラスチック問題とかも、時事問題書くときに必要かもしれないし。




 ヒロイン必要だよにゃ。


 エログロいやだから、アイドル系の世界を書こう。


 世の中の穢れとか、期待どおりにいかないものとかをうっちゃって、キレイなものを書いていきたい。




 だとすれば、お嬢様も必須!


 清らかな巫女さんも!


 ……一体何を描こうとしているんだ? 私……。




 それだったら、男子のいない女の子バンドでコスプレやってればいいわけで。


 そういうのはすでにアニメとかでヒットしてるわけで。


 私は必要とされているのかいないのか、わからない。




 無理やりにでも居場所をつくるしかないのか……?


 それって、どうやって? 私、先駆者の後をついていくしか能がないんですけど!?


 大きな賞に投稿するのに、二次創作みたいなのを書いてしまいそうな予感!




 正道はどこにあるんだ!?


 ヒロインたちが、コスプレ込みの女の子バンドを起こして、初ライブ! というときに殺人事件勃発! とかいう流れになりそうだにゃ。


 んで、主人公を名探偵と勘違いして頼ってくるの!




 主人公は、どこかだらしないところのある男性、かな。


 助手にしっかりものの女性をつけよう。


 それで、話がスタート!




 まあ、だいたいの流れはこうかな。


 本当に書けるのかな……。


 心配だにゃ。

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