第47話 変身バイクとアイカツ! 音ゲームに群がるパパさんたち

 先週の日曜日のこと。


 私と母は、妹の末の子の誕生日プレゼントを買いに行った。


 と言っても、妹が変身バイクを買うのに居合わせて、お金を渡すだけである。




 正直そんなプレゼントの仕方があるかと思う。


 しかし、できるだけ良質のものを子供に与えたいと思ったら、お金を出し合って一つのものを買うのが一番なのだ。


 出資者は母と妹と、妹の義母。




 こういうゼロ距離感の関係だと、「プレゼント? あー、お金だけくれればいいよ」ってなふうになってしまう。


 嘆かわしいのだが、妹は現実主義である。


 私は一応その様子を見には行ったが、出資はしない。




 妹の末っ子Rくんには、ホログラフの折り紙をもう、買ってある。


 だって3歳児だよ?


 1万も2万もするようなのを買い与えるのは、なんか違う気がする。




 しかし、この変身バイクというのは、ペダルなしの二輪車で、2~3歳から乗れる、30分で乗れるようになる、という触れ込みである。


 そして、使用者の体がおおきくなったら、付属品をどんどん増していって、しまいにはちゃんとした自転車になるのだという。


 すごいね、一生ものだね。




 久しぶりに会ったとき、妹は、長めの髪をクルクルまいて、頭の上でおだんごにしていた。


 PTAとかに行くときと、まったく違うではないか。


 女優ハットは? ネックレスは? お化粧は?




 女はいくつもの顔を使い分けるのだった……びっくりした。


 

 Rくんはカートの中で眠っていた。


 私が立っている位置から見ると、お兄ちゃんのYくんにそっくりだから。




「ねえねえ、見てみなよ」




 って言ったら、妹も母も私の目の高さまで顔を持ってきた。


 そういえば、母も私達似てない姉妹を見て、




「横顔がそっくり!」




 ってよく言っていた。


 なにがそんなに面白いのかと、相手にしなかったが、今ならわかる。


 子供がかわいくて、ついつい観察してしまうのだ。




 そしてちょっとの間、子どもたちへのサービスとして、ゲームコーナーへ行く。


 おどろいたのには、お兄ちゃんズのYくんとKくんは、お手伝いをしたぶんだけお小遣いをもらうようになっていた。


 妹も、よく考えたと思う。




 Yくんはカードでイナヅマイレブンのゲーム台で遊んでいた。


 その横で、大の男の人たちが、アイカツ! の女の子向け音ゲームの台に群がっていたので、おいおいと思った。


 が、それは遊んでいる女子児童のパパさんたちだったらしい。




 びっくりしたぞよ。




 変身バイクを買ったら、そのまま子供用カートに無理やり乗せて、それにKくんとRくんが、子ザルのように捕まって、車のところまで押していく。


 危ない、落ちたら、今車が突っ込んできたら、と嫌な想像をしてしまい、ハラハラして見ると、Rくんが青ざめた目できょとんとしていた。


 変な想像をしてごめんねごめんねと思いながら、見送って、回収されたカートを私が戻しに行く。




 うんまあ、こんなものよ。


 しかし、何日だったかわすれたけれど、Rくんの誕生日プレゼントを、未だに渡していないわ、私。


 遅くなってごめん。

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