第13話 エネルギーがわかない……ので、変な話をしてみる。

 今日も、母は仕事で、疲れているからと言って、作品を読んでくれなかった。


 ここのところ、ずっとだ。


 逆に言えば、それだけ仕事がハードで、疲れのバロメーターとも言えるのだが。


 そのはずなのだ、が……。




 なんか。


 力がわかない。


 落ち込む。


 母に読んで欲しくて書き始めた、おとぎ話なのに。




 今日は、お料理、失敗しちゃったしさ。


 豚肉の焼き加減と味付けはまあまあ、いけてたのに、野菜炒めがいまいちでさ。


 味付けというより、ナスのヘタを切り落とし損ねたのがまずかった。


 苦いんだ、あれ。




 栄養あっても、食べられなくちゃ意味ないのよ――!




 そしてその野菜炒めには、冷蔵庫の野菜室の野菜、半分近く費やしてしまったから、また買い足さないと。


 あるのはレタス、きゅうりが一本、トマトがいっこ。


 あとは、どうやっても握力でかなわない、冬瓜がいっこ。


 皮を剥くのに、神経使うのよ。




 冬瓜って、どうして冬という字に瓜って書くの?


 きゅうりは胡瓜、かぼちゃは南瓜、すいかは西瓜。


 なぜ、北と東がないのか。


 作物の実り方と関連してるのかな。




 あとでググるとして……。


(便利になったわね、世の中)




 母がファンタジーが嫌い(とははっきり言わないが、世代じゃないからとか、苦手とか、理解不能とかいう)なので、おとぎ話を書いたら、これが評価よくて、次に書くのはおとぎ話にしようと思った。


 その流れで、『角川つばさ文庫小説』の賞に応募する名目で、毎日書き綴ってきたわけなんだけどさ。


 そのおとぎ話も、母に読まれなくなって……なんか、生きる希望を失った。


 希望を失っているのに、希望にあふれた物語を書くのに、疲れを感じてきたので、賞の規定7万文字に達した今日、書くのをやめた。




 フラストレーションが、たまっとるがにー。




 ごめん、なに言ってるかわかんないね。


 でも、そういうこと。


 精神集中ができなくなって、本当、こまる。


 別の路線でいくしかない。




 それで、わたくしたまにやるんだけれど、眠りながらアイデアを模索するのね。


 朝、起きたらノートにキーワードを書きだしておく。


 そしたらね、今日のノートに「モモハダヒーロー」って書いてあった。


 なんじゃそりゃ!




 モモハダよりもちはだなんかどうだ? もちはだヒーローの方が、おもしろくないか?


 とは、思うんだけれど……なんか、なんかなー。


 モモハダは、ヒーローは実は女の子で、敵も味方もメロメロにしていき、物語はそれこそ桃色天然色! なんて想像をしてしまう。


 もちはだヒーローは、なんかパタリロみたいな……ギャグ路線一直線だ。




 いや、どうしてって……そういう、イメージなのよ。




 朝方、延々と考え続けてこれだからね。


 私、自覚してないだけで、猛烈スランプなんじゃないだろうか?


 どうしよう、この物語のタイトルを「猛烈スランプ」にしようか、真剣に悩む……。


 変な話、悩むたびに、妙な方向へ向かっている気がする。

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