第21話 子どもが欲しい

 今朝、ふと目がさめたら、唐突に子どもが欲しくなった。


 私ももう、年のことを考えるとかなり危ない。




 だけど、私は作家になるんだ。


 それには、育児などしている暇はない。




 本を読まねばならないし、毎日文章を書かねばならないし。


 それに子供は、親とは別個の存在で、私の、




「育ててみたい」




 というのは、イヌやネコを飼った経験の延長上にある気がするし、あいまいだ。


 しかし、幼い頃から、




「私は結婚しない!」




 と公言してきたから、いまさら結婚相手を見つける気はないし、どうすればいいのかも知らない。


 そもそも、結婚してなかったら、子供の養育費と生活費をどう、ねん出すればいいのか、わからない。




 結婚したら、子育てがうまくいくとは限っていないし、そういう夫に養ってもらおうという精神が、男をしり込みさせるもとだと思う。


 だけど、経済的に、子供を育成する自信がない。




 自分の癒しや、楽しみだけのためならば、ペットを飼えばよい。


 責任が伴うのは知っている。




 猫を飼った場合、私の身にもしもは存在しない。


 なぜなら、猫が癒してくれるので、免疫力が上がり、無敵状態が続くのだ。




 いわゆるアニマルテラピーである。




 子供は心配ばかりさせるが、教えられることも多いと聞く。


 いい親になれる自信にあふれているわけではないけれど。




 なにをしでかし、どう育っていくのか、この目で見たいという気持ちがある。


 しかし、子供に愛情を注ぎ、尽くすだけではだめだと思っている。




 子供が一人前に生きていけるように、与えるのではなく、教育せねばと思う。


 でも、一人の時間がとれなくなるのは、やっぱり困るわけで。




 ジレンマとともに、心が悶えている。

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