第7話 昔のプロット

 あまりにも暑くていらつくので、心の中で毒づいてみた。


 すこしすっきりして、落ちついたけれど、確実に後で後悔するんだろうなと思ったし、実際そうなった。




 妹の子、Yくんは、毎週末、ティップネスというお教室に通っている。


 もちろん、ママのお車での送り迎え付き。


 それはいいのだけど、実家に立ち寄ったと思ったら、ソファにぐでっとして、スマホをいじっていたり、TVの録画を観てあーだこーだ言っている親子を見つつ、これは……と思う。




 無理してないか? そもそもが、妹もYくんも、体が大きい方じゃない。


 過度のストレスで疲れてるんじゃないか? ここは、




「うちで夕飯食べてけば?」




 の一言が重要なのでは、と思いかけて、母の手元を見ると、とても人数分にはたらない、グラタンコロッケ。


 うーん。


 私の分が確実になくなる。


 私、グラコロ好きなの。




 あのくらいの子たちって、隠し事ができないから、だまってYくんだけ、ということもできないし。


 多分ファミレスとかでも、暴れるだろう。


 ま、旦那さんから生活費をもらっているのだから、デリバリーだって可能なはずだし、母親なんだから、女として何倍も私より経験値が高いわけだし、なんとかするよね。






 さて、TVを眺めていたら、今日「この世界の片隅に」が放送されるっていう。


 音楽番組で、ピアノやパーカッションが見事に作品世界を奏でていた。


 歌も演奏も最高! ぜったい、今日は放送をみるぞ!


 ってー、現実逃避してるけど。




 実は……今日の創作活動が停滞して困っている。


 テーマが食人鬼なんてものなんだけれど、これって妥当かな。


 人を食うんでしょ? カニバリズムなんでしょ? いやあだ!


 ハツカネズミがトラとクジャクと人間の子を産む話も、なんだかちゃんと面白く書ける気がしない。




 頭の中が乱雑で、きれいにまとめられる気がしない。


 こういうのって、読者に伝わってしまうと思う。


 だれにも相談できないので、占いページなんかを開いてみるけれど、そこには「停滞」の文字。


 うん、そうなのよ。




 だから占ってるのに……!




 今日は過程をすっとばすのは、禁物らしい。


 あー、まーね。


 資料を頭に入れて、直接ブログに書きこみたいわ。


 でもそれって、付け焼刃的な? みたいなー? ……駄目なんでしょ。




 わかってるわよ。




 こうして書いてみると、疲れた。


 ほんとーに疲れた。


 TVを母と一緒に観たら、今日は38℃まで気温が上がったところもあったって! 熱帯夜がくるらしい。


 いやぁぁぁ! エアコンのクーラー26℃じゃ、ゆだってしまうぅぅ!




 というわけで、今日は頑張らない。


 頑張ったら死ぬとわかってて、バカなまねはできない。


 お盆に向けての、特集をエアコンのきいた部屋でおとなしく観てる。


 だって、暑いんだもぉ~~ん。




 さて、そゆことで、予定が未定のまま夜が更けようとしています。


 ノートに資料をまとめる気力がわかない。


 推敲しても、うまくいく気がまったくしない。


 勝率みこみなし! 休もう! 利口になりなさい、私!






 ……とゆーことで。


 リビングへ行ったら、母がショコラアイス食べてて、暑いし、私もいいかなーって。


 甘いものは、体温が下がるっていうし。


 ん、うまし。




 あんまり食欲はないけれど、二本目いっとくかー。


 TVで「潜れ! 魚くん!」がやっていたので、眺める。


 火山地帯の砂浜で、穴を掘ると温泉がわくっていう。


 ああ、火山の噴火前って、海があったかくなるって以前、プロットみたいなの書いたなー。




『涙姫におくりもの』っていう……。


 沖縄の言い伝えで、ジュゴンがくると、津波が来るっていうのがあって、そこから着想したのだけれど……。


 あれは、プロット書き終えた後で、ディズニーが『モアナと伝説の海』公開してて、なんか世界観が似てる上に、勝てる気がしないから、記憶の底に封印していた。


 涙姫っていうのは、人魚のことなんだけど、津波を教えてくれた彼女に、主人公がお礼として貝殻のネックレスをプレゼントするっていう話。




 そのペンダントは、生きのびた人々の数だけ、集められた貝殻で、人々は全員助かったの。


 人魚は、津波を呼ぶんじゃなくて、知らせてくれてるんだっていう、どんでん返しがある。


 人魚を忌避してはいけないよ、というお話。


 まあ、人魚はギリシャ神話なんかでは、海の魔女セイレーンというくらいで、評判はよくないけれども。




 書いてみようかなあ、と、いう気持ちにはなった。


 魚くん、ありがとう!

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