第39話 初のオファーをもらった!

 9月に入ってから、ココミュのメッセージ欄で見たことのない人からメッセージをもらった。


 おや、と思う。


 拝読したら、ボイスドラマを作っている方で、劇に興味はないかという……。



 興味はありますが。


 ていうか、私自身が聞いたり書いたりしてますが。


 その私に、彼はヒロイン役がある、どうかと言う。



 えー?


 内容を見せてもらわないと、お答えのしようがない。


 さっそくサンプルなどを要求した。



 参加表明していないうちから、図々しいと、いやがられるかなとも思ったけれど、スパパーンと開示してくださった。


 うん、私の方向性とは違うけど、この路線だったらあのキャラがいいかな、とか思う。


 そして、聞いてみたら、ズバリ求められているのはそのキャラだった。



 だけど、ニコニコ動画の資料を見せてもらっていたら、その企画では美少女役をもらう人は住所特定される、というネタがあって。


 アカウント名があったので、ツイッターをなにげなく見たら、とても怖いことが書いてあった。


 電車に飛びこんで自殺を図る女子中学生を誹謗していた。



 他にも、飛び降り自殺が未遂に終わった男子学生を、もう一度飛び降りろ、とあった。


 これは……いくら、作品が成功しようと、私自身が許せないと思った。


 頭がよくて、ユーモアがあって、今の社会が正義だと認めても、私は嫌だ。



 価値観あわないんなら、それは計画に入る前から破たんしてるも同然だ。


 だから、謝りを入れた上で、私が美少女役ではファンが許さないし、住所特定されてなじられるのもいやだし、美少女のファンはおっかないから遠慮する、と書きこんだ。


 それしかないと思った。



 相手の方はあっさりと引き下がった。


 もともと、私の演技など眼中になかったのだろう。


 住む世界が違うと思ったし、そういう方々とつきあうのは苦しいと判断したので、その旨書いて、企画の成功を祈ると伝えた。



 心臓に悪い。

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