概要
どこにでもある街のありふれた死に、だけどぼくらは心を痛めている。
死人のようにやせこけた刑事・森村蒼が傍観する4つの事件。(1.13完結)
流産のショックから立ち直りかけていたはずの姉が早朝の陸橋から転落死したのは何故か?(死者の祈り、あるいは呪い)
撲殺された男が遺したダイイングメッセージの真実とは?(神尾文彦の追跡)
進学校の男子生徒は何故担任教師を殺害したのか?(オーバーライト)
行方不明になっていた酒造会社の跡取りが東都で横死しなければならなかった理由とは?(野良犬の喰うところ)
四人の当事者たちは真相にたどり着いたとき、何を見るのか――。
――――――――――――――――――
本作は『没個性的な地方都市における青春と死』をテーマとしたミステリー短編集です。
それぞれ独立した作品なので、興味がある作品を拾い読みするも良し、テーマ的な統
流産のショックから立ち直りかけていたはずの姉が早朝の陸橋から転落死したのは何故か?(死者の祈り、あるいは呪い)
撲殺された男が遺したダイイングメッセージの真実とは?(神尾文彦の追跡)
進学校の男子生徒は何故担任教師を殺害したのか?(オーバーライト)
行方不明になっていた酒造会社の跡取りが東都で横死しなければならなかった理由とは?(野良犬の喰うところ)
四人の当事者たちは真相にたどり着いたとき、何を見るのか――。
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本作は『没個性的な地方都市における青春と死』をテーマとしたミステリー短編集です。
それぞれ独立した作品なので、興味がある作品を拾い読みするも良し、テーマ的な統
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心が痛む、しかし読まずにはいられない。
四つのお話がまとめられた短編連作ですが、いずれもハイクオリティです。
一つのお話を読み終える度に「はぁ〜やられたなぁ〜」と良い意味で溜息が漏れてしまうほどでした。
テレビのニュースでは、連日どこかの町で殺人事件が発生したと報じられていますが、それを見て大抵の人は「また嫌な事件が起きたな。被害者や遺族は気の毒だな」ぐらいにしか思わないでしょう。あるいは、自分には関係のないこととして、ニュース自体を聞き流しているかもしれません。
本作は、四つのお話すべてが「どこにでもある町で起きた殺人事件」を描いています。
全話共通して森村という幽鬼のような刑事が登場しますが、解決役は彼ではありません。
彼…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ハイクオリティなミステリー短編集
とても濃密なミステリー短編集でした。
各話は独立しており、共通する登場人物はタイトルにも出ている森村蒼という刑事のみ。
それぞれが非常に高品質で、創元推理文庫を読んでいるような感覚(伝われ……)になりました。
四話が収録されているのですが、私のオススメは『死者の祈り、あるいは呪い』『神尾文彦の追跡』『オーバーライト』『野良犬の喰うところ』です。つまり全部です。最初から最後まで、余すところなく楽しめます。
なるほど、そういうことだったのか……という解決編のあとに控える驚愕の真実。これがまた素晴らしいのです。
うわ……そうくるのか……。と、気づかなかったことがものすごく悔しくなります。
そ…続きを読む