神尾文彦の追跡(12)

【探偵からのダイイングメッセージ?】

 五十海市警察署は神尾文彦さん(当時三十三・探偵業)を殺害し、市内の山中に遺棄した疑いで、利根有紗容疑者(二十四)を逮捕した。同署によれば、亡くなった神尾さんの左手には蒼色の繊維が強く握り混まれていたという。

 科学捜査の結果、利根容疑者の所持品と同じ成分だということが判明し、今回の逮捕に繋がったという。

 現在同署では利根容疑者が、ミステリー作家の堂部礼久さんが殺害された事件にも関与している可能性があるとみて、取り調べを進めているという。

《二○××年十一月五日付駿遠新聞社会面より抜粋》

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