あなたが、私の幸せの全てだから。
地上の大半が黒い雲に閉ざされ、「吸血種」と呼ばれる者と共存している常闇の世界。
母親から吸血種への売血を強要されていた花菜(はな)は、家を逃げ出し、幼馴染の駿(しゅん)に助けを求めた。
二人は十年ぶりに再会する。
かつて両親を吸血種に殺され、人生を狂わされた駿は、「狼」―—吸血種を葬り去る者になっていた。
駿への想いが募る花菜と、彼女の想いを知りながら「兄」として接する駿は、共に暮らすことになったが。
ゆっくりと暗い底に沈みながら、幸せに手を伸ばす二人のお話。
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【登場人物】
行野 花菜:十九歳。吸血種相手の売血者。
仕事も育児もしない母のもとで育つ。
幼い頃からずっと駿に恋をしている。
如月 駿:二十四歳。自宅で仕事をする傍ら、裏で「狼」として銃を手にしている。
裕福な家庭で育ち、子供の頃、花菜の面倒を見ていた。
綿貫:医師。駿の中学時代の先輩。
売血で弱った花菜の治療をする。
矢木:カフェ店員。駿の「狼」仲間で情報係。
吸血種のせいで妻を失っている。
乳児の娘を育てている。
木村:駿のマンションのコンシェルジュ。
「狼」としての駿をサポートしている。
🚨この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
・以前投稿していたお話の改稿版です。