結婚式に乱入した怪盗が花嫁の令嬢を盗む。
これだけ聞くと、怪盗が悪人で令嬢やその結婚の関係者が被害者に見えます。
でも、実際は令嬢の結婚は幸せなものではありませんでした。
怪盗に盗まれることと、愛のない結婚をすること。どちらが令嬢にとっての幸せになる???
気乗りしない結婚から白馬の王子様がヒロインを救いだす!
女の子が一度は憧れる萌えシチュエーションから物語は始まります。
最初は犯罪者にさらわれたのかとドキドキなのですが、話が進むうちにヒロインの不幸な状況が明らかになります。しかも、怪盗がヒロインを盗んだ理由も少しずつ分かってきて、気づけばヒロインと彼女を盗んだ怪盗の幸せを願ってしまっていました。
登場人物たちの思いや立場、利益が絡み合って、ヒロインと怪盗の恋の行く手をはばんだり、応援してくれたります。ふたりが如何にしてハッピーエンドにむかうのか? ハラハラドキドキを楽しみながら読めて、約6万字とは思えない満足感のあるストーリーでした♪
優しさ……一言で表せてしまう言葉だけれど、その重み、大きさは一言では表せれない。
辛さを知っているからこそ、優しくなれる。
けれど、優しさを貫くのは思いのほか難しい。
それでも、優しさを他者に向けられた時に、それは人を変えることのできる力になる。
そして、最初は小さな一助だったとしても、それが巡り、重なって、少しずつ大きく変わっていく……。
そうして、最後には——
とても分かりやすく、胸を打つ物語でした。
彼女の持つ『優しさ』
彼が決めた『覚悟』
どちらも想いから始まり、想いに収束していく……。
その結果の、あの微笑ましい結末は、是非皆様の目でお読みください……!
衝撃的な、結婚式で花嫁が怪盗に攫われるシーンから、物語は始まります。
伯爵令嬢なのに、義母と義妹に虐げられた生活を送っていたヒロイン、盗まれちゃったけど、これでいいかも!?と思わされます。
だって、この怪盗、ぶっきらぼうで口は悪いけれど、優しいし、思いやりもあるし。
ヒロインのセレーナも次第に心を開いて、お互いにぽんぽんと軽口を叩く間柄になっていきます。
でも、油断厳禁ですよ。油断すると怪盗様が髪にキス♡なんてしてきちゃいますから。
急接近したり、意識し過ぎてしまったり、といった2人の距離感にドキドキです♡
ヒロインとヒーローを支える人々もそれぞれ魅力的で、楽しく読めました。