暗闇の中で見つける温かな光

まず、作品のタイトルがとてもかっこいいです。響きもそうだし、文字の並びのビジュアルも。

メインの二人のキャラクターの重苦しい設定を知れば、この物語に単純に幸せな結末は待っていないのだと想像できる。その物悲しい雰囲気の中で、花菜と駿が少しずつ築いていく大切なナニカが綴られていく物語。

二人を取り巻く数少ない友人たちとの大人な関係性が、とても心地良い。優しい人たちだからこそ、その心に大きな傷を負った出来事が痛々しく感じられる。

物語は一人称視点で進んでいくため、広くというよりは、深く深く人物の心情が描かれる。

雲から僅かに覗く晴れ間が、二人の心に重なって見えた。

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