狼よ、白き薔薇を抱いて眠れ【改稿版】

作者 吉敷眞実

10

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★★★ Excellent!!!

 読み終わり、私の頬に流れたのは、喜びの涙でした。
 人によっては、そう感じられないかも知れません。
 この物語は、タグにある通り「悲恋」なのですから……
 吸血種が溢れ、厚い雲が空を覆う、暗い世界が舞台です。
 その中で、主人公・花菜は吸血種へ売血することを母親から強要されていましたが、ついに限界を迎え、初恋の人・駿の元へ十年ぶりに訪れることから物語は始まります。
 こうした世界観ですし、花菜が置かれていた状況からも、明るい話しではなさそうと感じました。
 ただ、いくつかの救いがありました。
 一つの救いは、突然の訪れであったにも関わらず、駿は「はなちゃん」と呼んだことです。
 駿も花菜のことを忘れずにいてくれたことが分かる言葉でした。
 もう一つの救いは、駿が密やかに吸血種を狩る「狼」と呼ばれる者たちになっていることです。
 花菜が母親から逃げて来たのも、吸血種にエサとして飼われそうになったこともありました。
 そうした手合いから守るのに、駿の立ち位置は心強いものがありましたし、爽快にも感じました。
 半ばなし崩しでしたが、花菜と駿との生活が始まり、二人の距離は……
 最後まで語れないのをお許し下さい。これ以上は、悲しくもあるのです。
 ですが、救いはありました。
 それが読み終わった私を感動させたのです。良かったです……
 悲恋、されど救いのある物語。
 書いて下さり感謝しています。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

 この作者様が以前、投稿されていた同名タイトル作品の改稿版です。
 ストーリーの流れはそのままに、より凝縮され、読みやすく生まれ変わったそうです。
 連載は始まったばかりですが、私は改稿前の作品を読了しているので、是非、皆様にお勧めしたく、レビューを書かせていただきます。

「吸血種」と呼ばれる、人間とは違う種族のはびこる世界の中で、ヒロイン花菜(はな)の境遇はとても過酷です。
 そのため、彼女は少し卑屈です。
 けれど、それは「それまで」の彼女の生き方から仕方のなかったこと――。

 やがて彼女は、自暴自棄にならずにきちんと生きることを考えます。
 大切な人を幸せにして、自分も幸せになろうとします。

 そんな、彼女の純粋な気持ちに心打たれます。

 この世界ですから、辛い展開もあります。悲しいことも、悔しいこともあります。

 楽しいこともあるけれど、楽しいだけではありません。
 悲しいけれど、悲しさの中から、幸せを掴み出せるようになるヒロインが素晴らしいのです。

 読了後は、この物語を読むことができてよかった、と素直に感じることができます。


 この改稿版は毎日更新ですので、連載を追っていくのが好きな方は、今すぐ追っていくことをお勧めします。
 そして、完結作品を読むのが好きな方は、ほんの少し待ってから、是非、一気読みしてください。