概要
モノクロの世界が、色づき始める
先天性の色盲を患った川口彩美《かわぐちあやみ》は、「師匠」との死別をきっかけに過去の出来事を思い出す。
小学校一年生のときに起きた、とある男子とのいさかい。「師匠」との出会い。修学旅行。友達との別れ。甘酸っぱい気持ち。高校受験。
物語の最後、この本の題名の意味と「師匠」が一番伝えたかったことが明かされたとき、少女は大きくなる。
色とはなにか。どうあるべきか。
ひとりの少女の成長ストーリーが描かれた本編ほか、番外編、前日譚も収録!
小学校一年生のときに起きた、とある男子とのいさかい。「師匠」との出会い。修学旅行。友達との別れ。甘酸っぱい気持ち。高校受験。
物語の最後、この本の題名の意味と「師匠」が一番伝えたかったことが明かされたとき、少女は大きくなる。
色とはなにか。どうあるべきか。
ひとりの少女の成長ストーリーが描かれた本編ほか、番外編、前日譚も収録!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ご縁があったら、またいつか
色覚障害を持つ少女が、その眼に映る世界とどう向き合っていくのか。
幼馴染との純愛や、ある人との出会いを軸に描かれた物語です。
やや強引かなと思える展開があるものの、それを感じさせない描写力は素晴らしいと感じました。
そして、大好きになった一文、「ご縁があったら、またいつか」
see you again の和訳のような言葉ですが、これほどまでに素敵なフレーズを見たことがありません。
作者さまも思入れがあるようで、この言葉をタイトルにした番外編も楽しめます。
タイトルの「カラフリー」
その意味は作中で明かされますが、私は「殻(カラ)」を破って「自由に(フリー)」と感じました。
そんな、さわや…続きを読む - ★★★ Excellent!!!色覚異常の少女が「世界の美しさ」を知っていく物語
先天性「一色型色覚異常」で色を視認することができない川口彩美には、世界がモノクロに見えている。だからといって、暗くなっているわけではなく「あたしはそんな自分が大好きだった」。しかし、ある事件がきっかけで、彩美はそのことに負い目を感じるようになり、引っ込み思案になっていく。
そんな彩美を「色のある世界」に導いてくれたのが、彼女が「師匠」と呼ぶ年上の男性だった。
作家である彼は、言葉を使って「色を創造する」ことを彩美に教えていく——。
この作品の素晴らしい点はたくさんありますが、個人的に、特に心を打たれたのはタイトルです。一見何でもないようですが、そこに込められた意味が分かってくると、それだ…続きを読む