魔王の要塞城
松友健
ヒーローとルール
この作品はゲームブックという分野の小説である。それがどんな物かご存じない方は検索なりなんなりで調べるといいだろう。
どういう物か知っている方は――剣と魔法、冒険の古い世界へようこそ。
まず、君という
※記録用紙例
https://kakuyomu.jp/users/matutomoken/news/16817330663813662901
君は由緒正しいエインシェント国に仕える騎士である。
若く精強で、この国と民を守るために強敵を幾度も打ち倒してきた。君を知る人間が「この国で最強の勇者を五人あげろ」と言われた時、必ずそこに君の名が入る。
ではその技量やいかに?
まずは筆記用具と、記録用の紙を用意すること。
そこに君の
そしてサイコロを2個。これが君の命運を都度都度、決めていく事になる。
準備ができたら、サイコロを4個ぶんふること。
合計が12以下ならふり直したまえ。
13以上だったなら、4個の出目をメモし、
4個の出目のうち、一つを選んで6を足すこと。7~12の値になる。
これを君の【戦闘力】とする。
これが君の戦闘技術であり、敵と戦う時に判定する数値だ。
残り3個のサイコロの目から一つを選び、それに6を足す。7~12の値になる。
これを君の【意志力】とする。
これは精神力や根性を現す‥‥そして冒険中、最も変動する数値の一つだ。
残り2個のサイコロの目から一つを選び、それに6を足す。7~12の値になる。
これを君の【敏捷力】とする。
これは素早さや反射神経を現し、冒険中、危機を回避するのに何度も使用する。
残り1個のサイコロの目を2倍し、それに12を足す。14~24の値になる。
これを君の【生命力】とする。
これはいわゆるHPであり、
どの
また、ここで決めた値のうち【意志力】と【生命力】は最大値でもある――増やすように指示があった時でも、最初に決めた最大値を超える事はできない。この2つは増減する事が多いので、忘れないようにせよ。
だが【戦闘力】と【敏捷力】は異なり、これは作中に増やすよう指示があればそのまま加えて良い。上限は無い。
〇戦闘の方法
冒険中、君は幾度も敵と戦う事になる。
その時、敵の【戦闘力】と【生命力】が記載される。
戦い方は次の通りだ。
一:敵の攻撃力を決める。サイコロを2個ふり、出た目と敵の戦闘力を合計する。
二:君の攻撃力を決める。サイコロを2個ふり、出た目と君の戦闘力を合計する。
三:敵と君の攻撃力(合計値)を比較する。
同点だったなら戦況は互角だ。一へ戻って互いにサイコロを振り直す。
君の方が大きければ君の攻撃が成功する。四へ進む。
逆に敵の方が大きければ君が負傷する。五へ進む。
四:敵の生命力を2点減らす。これで0になれば君の勝ちだ。
まだ1点以上、敵の生命力が残っているなら、一へ戻って勝負を繰り返す事になる。
五:君の生命力を2点減らす。これで0になれば君は敵に倒されてしまう‥‥冒険はそこで終わりだ。
まだ1点以上、君の生命力が残っているなら、一へ戻って勝負を繰り返す事になる。
敵が複数いる時は厄介な事になる。
一を敵の数だけ繰り返し、敵ごとに攻撃力を決めねばならない。
二で決める君の攻撃力は一度だけだ。
そして君の攻撃力に勝った敵は、全員が君に攻撃を加えてくる――君の攻撃力を上回った敵の数だけ、五を適用せねばならない。一度にたくさんのダメージを受ける可能性がある、という事だ。
一方、君は自分より攻撃力の低かった敵から一人だけを選び、ダメージを与える――複数の敵を同時に倒す事はできないのだ。
これが不利な事は、少し考えれば誰にでもわかるだろう。
〇戦闘オプション
戦闘時にとれる行動は、ただ漫然と攻撃を繰り返すだけではない。
・逃亡
逃亡が可能な状況では、逃亡先の指示がある。
逃亡を選べるのは、敵味方がサイコロをふる前。
そして逃亡するならば、背中に敵の追撃を食らわなかったかどうかを判定せねばならない。
これにはサイコロを2個ふる。出た目に君の【敏捷力】を加え、合計が15以上なら被害は無い。だが14以下だったなら一撃を受けてしまい、生命力を2点減らさねばならない。
しかも敵が複数だった場合は、敵の数だけこの判定を繰り返し、失敗する毎にダメージを受けるのだ。
それでも君の生命力が1点以上残っていれば、君は逃亡に成功する。
・ダメージの乱数化
戦闘で発生するダメージは2点と定められている。
だが君が望むなら、これが増減するかどうか判定しても良い。
戦闘手順の四か五において、サイコロを1個ふる事もできる。これを半分(端数切上)にすると、1~3の値が出る。これをダメージとして適用するのだ。
乱数化するかどうかの選択は、ダメージが発生する毎に任意で決める事ができる。
・相打ちを狙う
戦闘の手順三では、同点ならば互いに無傷で一へ戻りサイコロを振り直す。
これが不服なら、君と敵、両方がダメージを受ける事にしても良い。
敵が複数だった場合にこれを使うと、同点だった敵全てが君を負傷させるが、君は同点だった敵から一人を選んでダメージを与える事になる。
相打ちを狙うかどうかの選択は、手順三で同点が発生する毎に任意で決める事ができる。
・
君は騎士としての戦闘訓練により、盾の使い方にも習熟している。
戦闘手順二、自分のサイコロをふる前に、君は望むなら盾による防御を選択しても良い。
この場合、君の攻撃力に4点を加える事ができる。また、敵からダメージを受けても、それを1点減らす事ができるのだ。
代わりに君はその手番において、敵へダメージを与える事ができない――ひたすら盾の陰に隠れていたのだから。
この行動は盾が使えない戦闘では選ぶ事ができない。盾を失ったら新しい盾を手に入れるまで使えないし、状況次第では盾を持っていても選択する事ができない(文中に指示があるだろう)。
〇意志力の発揮
君のような英雄候補は、しばしば強い意志の力、精神力で逆境を跳ね返す。だがかなりの疲労をともない、無尽蔵にやれる事ではない。
君は冒険中、意志力を1点減らせば、サイコロを1回振り直す事ができる(減らした後で振り直す)。
前の出目は無かった事になるので、前より低くなっても新しい出目を使わなければならない‥‥が、2点・3点と費やす事で2回・3回とサイコロを振り直す事は許される。
能力値は0点より減る事はない、それを忘れないように。
意志力が0点になってしまえば、回復するまでこの【意志力の発揮】は使う事ができない。
〇所持品
この危険な冒険を成功させるには、いくつかの貴重な品を手に入れる必要もあるだろう。
しかし冒険を開始する時点で君が持っているのは、以下の物だけだ。
剣
鎧
盾
背負い袋
金貨10枚
剣も鎧も盾も王国の騎士団に在籍している事を示す逸品で、かつては名誉の象徴も同然だった。それも過去の話だが。
背負い袋は頑丈な背嚢だが、無限に物が入るわけではない。時には「複数の品物から一つしか持って行けない」というような場面もあるだろう。
金貨は王国が鋳造した物で、時の王の横顔が彫られている。
〇旅立ち
最後になったが、君の分身となる騎士に、名前をつけるべきだろう。
この時に年齢や性別、おおよその外見も決めてやるとよい。
これは冒険の成否にかかわる事ではないが、ロール・プレイング・ゲームとは本来そうすべき物なのである。
では次のページに進みたまえ。
https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663041124185
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます