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 君がテーブルに近づくと、黄色い頭巾の三人組はニヤニヤと笑いだした。

「お前さんも勝負していくかい、若いの?」

 賭けカードに誘おうとしているのだ。


 だが君が返事をするより早く、店に入る客が現れた。


 灰色の外套を羽織った、顔に傷のある男だ。

 腰に剣を帯びており、その身のこなしから、腕に覚えのある戦士らしい。

 男はテーブルにいる三人組をじろりと睨むと、大股で近づいて来た。


 険悪な表情を見せる三人に構わず、傷の男はテーブルの上のカードを乱暴に払う。

「なんだ、オオ!?」

 腹を立てて三人組の一人が立ち上がるが、傷の男は床に落ちたカードの一枚を拾った。


 一見はただのカードだ。

 だがちょっと引っ張ると、張り付いていたカードが剥がれて二枚になる。

 細工しておかないとこう上手くは張り付かないだろう。


「こういうのを何枚か仕込んでいれば、三人グルになって好き放題な手が作れるわな。チンケなサマだ」

 傷の男は剣を抜く。

「そのチンケな野郎どもに弟ぶんを殺られておいて、下を向いているわけにもいかなくてよ」


 三人組の残り二人も立ち上がり、剣を抜いた。

「先日のガキの仇討ちか。あいつの後を追わせてやるぜ」


・ヤクザ者の乱闘に巻き込まれたくなければ、他のテーブルに逃げるべきだ。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663183705616


・ケンカを売ったのは傷の男なので、三人組に加勢する事もできる。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663183759224


・三人組は君をイカサマでカモにしようとしていたのだろうし、傷の男に助太刀するというのも有りだろう。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663183993302

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