295

 君は断固として否定し、適当な合言葉をでっちあげた。

 間違っているのはお前だと頑なに言い張る。


 トロールは頭にいくつも青筋を浮かべ、その顔をみるみる真っ赤に染まめた。

「なんだとー? 今夜は牛肉入りの豚汁だ、だとー? こんのやろー、大バカヤローめ、クソッタレめー。絶対にオレが正しいんだー。今、聞き直してきてやるからなー」

 トロールは大股でどすどすとどこかへ走って行った。


 愚かな鬼の姿が消えてから、君は改めて廊下を進む。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663548957092

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る