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 君は剣をふるい、女を捕えていた網を切り裂いてゆく。


「ああ、高潔な勇士様! なんと素敵な方なのでしょう。この醜悪な場所に、きっと神の意志で遣わされたのですね。私を御救いください、その胸に跳び込む事をお許しください!」

 女は熱い視線を君に向ける。

 だが網から出る前に、壁際にある紐――網の一部かのように配置されていたので気が付かなかった――を力強く引いた。


 すると新たな網が君の頭上に振って来たではないか!

 絡め捕られる君を尻目に、女は最初の網を容易く払いのけて立ち上がった。

 その際にドレスを脱ぎ捨て、腕や太腿も露わな動きやすい軽装になる。

 女は勝ち誇って笑った。

「この醜悪な場所に、高潔な方は不似合いですの!」

 そして、網とともに落ちて来た太鼓を思い切り叩いた。

「さあ兄さん! お馬鹿様に油断の代償が高い事を教育してあげる時です!」


 太鼓の音を合図に、南から獣の咆哮が響いた。そして巨体が走る音が。

 程なく南の廊下から駆け込んでくるのは、牛の頭をもつ屈強な半獣人‥‥ミノタウロスだった!


 その間にも君は網から脱出しようともがいていたが、動けば動くほど網は絡まっていくようだ。

 女は君を見下ろし、せせら笑う。

「迷宮は抜け出せても、私の糸からはそうそう出られませんよ?」


 まともに動けない君に、ミノタウロスが跳びかかってくる!


・【キャプティブボルト】を持っていれば――

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663449472185


・持っていなければ、網に絡まれたまま戦うしかない。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663450482489

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