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 金色の光を帯びる剣が君の手の中で輝く。頼もしいその刃で最後の敵へ斬りかかる――のだが、君は違和感を覚えた。

 君の剣の輝きが、この薄暗い最上階の中空に反射しているのだ。


 君は気づいた。

 金の光が鏡に反射している事に。

 デッドクラウンは君が向かう方向にはいない。

 角度をつけた鏡を利用し、別の方向に立っている!

 君からは壁を挟んで直接見えない場所に。

 そこで君の攻撃が空振りし、隙を見せるのを待っていたのだ。


 罠に気づかれた妖術師は「ふん」と鼻で笑った。

「運の良い奴だ。ここまで生きて来れただけはある‥‥」

https://kakuyomu.jp/works/16817330663030599833/episodes/16817330663760252967

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