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彼も王族だというなら、彼に仕える事はエインシェント国王家に仕える事に変わりないのではないか。君があれだけ苦戦した砦を建てた彼の力が強大である事は疑いようがない。
いっそベネディクト王に国を任せてみるのも一つの手か‥‥。
君は自分の判断に基づき、剣を差しだした。
ベネディクト王は感嘆の声をあげる。
「おお、腕が立つうえ聡明な騎士よ。お前は私の砦で多くの部下を屠ったが、それは奴等全てを合わせたよりもさらに上にあるという事。私は価値ある臣下を得た」
ベネディクト王の姿が一瞬消える。
次の瞬間、君の側に現れ、王は君の剣を受け取った。代わりに王が帯びていた、黄昏色に刃の染まった剣を渡す。
「高位の不死の力をお前に与えよう。現首都の直接統治も任せる。我が闇の力のもとに、千年王国を築くのだ!」
それは考えようによっては永遠の平和とも言える。
君はこれからその目的のために剣をふるうのだ。
この日、恐怖の伝説が始まった。
大陸全土の全生者が恐れ、無数の勇者を葬り去る夜の騎士の名がこの世界の歴史に刻まれる、その最初の日となったのだ。
だがそれはまた別の物語。
善の英雄の物語は、ここで幕を閉じるしかあるまい‥‥。
【Another end】
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