第6話

 結局昼飯は店のおすすめだという野菜沢山のスープ料理とパンの付け合せだった。

 味は意外とこってりしてたが胃にもたれないふしぎな味。Vは美味しかったと言って追加でデザートまで頼んでしまった。

 そのデザート代含めても料金は首都の飯屋と比べて安い。

「食材の仕入先はすぐ近くにあるからな」

 ドーリーのつぶやきに、そうじゃないと思うが、と思いつつお腹が膨れて満足なVは曖昧に同意した。なんでもいいじゃないか。


「おい、だれか助けてくれ!!医者だ。医者は居ねぇか!!」

一休みして代金を精算しようと二人で勘定をしていた所、店の外で騒ぎが起きた。

「どうしたんだ」

「隣の見習いが包丁で指切り落としちまったらしくてよ」

「おっかねぇな」

そんな話が聞こえてくる。

「ちょっと行ってきます」

「勘定はしとくよ。おい、そいつは魔法使いだ。道をあけな」

ドーリーはそう店の中から怒鳴りつけて野次馬をどかした。

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