第31話

 彼らの手元には弓、矢、剣、そして空気を読んで先ほどから動いていないスライム。

 しいて言えば泥だらけの服とスライムを結びあげていた紐。あとさっきスライムが吐き出したダサくて短い杖。

 こんなのでどうするんだ。という話だが、彼らは鳥頭じゃないしそれなりに要領もいいのでこの商売でここまで生きてる。

 鳥頭だったらとっくの昔に鳥に食われて鳥頭を維持する栄養になってることだろう。

 実際そういう連中はVもドーリーも知り合いにいる。

 いや、正確に言えば、いた。


 上空から敵を探す二匹の怪鳥。

 村から遠く、また沼地など住人でもせいぜいスライムの住処までしか行かないので今の今までばれずに暮らしていた。

 普通なら物理攻撃など効かないスライム。しかし彼らは恐ろしく鋭い爪と、それを急降下から的確にスライムの急所に刺す妙技を持っている。なのでスライムが主な食糧。だから村に行かなくても食料にはこまらない。

 人間については食わないことはないという程度。ただ縄張りに入れば排除する。それが習性だし、今の所の最適解。彼らの「友人」も人間の頭の中を維持する栄養になっているから。

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