第43話
ドーリーとVが相談して仕掛けた罠は、爆弾というよりも大砲に近いものだ。
ドーリーが村に持ち込んだ手投げ弾(人間に使うには過剰な威力の大型モンスター用。ドーリーが首都の商店で買い物してる際に見つけ、念のために仕入れて持ち込んだとのこと)をVが一晩で設計しドーリーと村の木こりで制作した強力な弓を使って撃ち出す方式。
当初ドーリーは死体に爆弾をくくりつけて爆発させよう。というシンプルな方式を提案したが、それだと不発の場合や罠に掛からなかった場合に困るし、威力が半減するというVの指摘。
そこで古典的な投石器を応用したこの罠。
手投げ弾をドーリーが調整し、それなりに強烈な衝撃で爆発するようにする。
手投げ弾は村から森に向かって打ち込まれるので外しても人が死ぬことはない。
それを弓でぶつける事で物理的な衝撃を与えるので、仕掛け罠より不発の危険性が低いというわけ。
勿論打ち出す際に何かの間違いで「手元で爆発する」可能性もあるので、事前に弓に手投げ弾を仕掛けたのちに、本人たちは紐で遠くから引っ張るという安全対策も忘れない。
そこに村の有識者である山菜採りの名人と元猟師が知識として知っていた古典的な罠である「石を詰めた鹿の死体でおびき寄せ動きを止める」も合わせてこういった形になった。
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