第66話
手当が終わったのは深夜。もうさすがに眠いと毛布だけ敷いて二人は寝た。ドラゴンもさすがに疲れたのか、親子で仲良く就寝。
そして翌朝
「あさごはん、たべる?」
そう言ってドラゴンの子供に起こされた。目の前には一頭の猪。
「捕ったのか?」
「昨日、夜、取った。おかあぁさんと、一緒、食べるつもり、一緒食べる?」
「頑張るな、君は」
そう言ってドーリーは子供のドラゴンの頭を撫でた。
ドリーとVは残っていた野菜と調味料で昨晩と同じものを作る。肉は新鮮という事で猪の肉を分けてもらった。代わりといっては何だが残ったスープを鍋ごと二人に渡す。
「おいしい」
「お上手ですね」
ドラゴンに褒められるVの料理の腕前。
やっぱり微妙にうれしくない。冒険者なのだ。
「さて、俺たちはどうしようか」
食べ終わった後にドーリーはそう言った。
ドラゴンの意図は知らないが、何かを考えているようだ。
翼が治らなければここにいるしかないが、治ったならどこかにいくしかない。さすがにここで子供の世話になりながら一生暮らすわけにはいかない。
各々自分の仕事をしながら暮らしていくしかない。
「まぁ、少し周りを見てみましょうか」
そう言ってVとドーリーは立ち上がる。その後ろについていくドラゴンの子供。
「君も来るか?そうか、仕事だから邪魔はしないでくれよ」
ドーリーもVも親のドラゴンが文句を言わないのなら、という事で特に気にしない。後ろからついてくるドラゴンもよく見れば可愛い、やっぱりかわいいというより怖いな、とはVの感想。
それでも楽しそうに二人の周りを飛び回ってるのだからまぁ微笑ましくもなる。
そしてその光景をみて何かを考える母親。
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