第76話
「おーい。みんな。無事か」
なんとか言う事を聞くようになった馬を走らせ村についた御者。
いい人だが足を悪くしてから妙に話が長くなった村はずれの老婆に事の次第を聞き、みながそこにあつまっているという村の集会場に走る。
それに付いて回るのは、騎士と冒険者の団体。
「おい御者。お前さん首都って話じゃなかったのか」
「そうだったけど、行く途中に騎士団の人たちにあって、村に危ない連中が向かってるって聞いたから付いて一緒に帰ってきたんだ。村長さんはどこにいる」
「村長は出払ってるが、お嬢」
「はい」
そして集会場から出てくる村長の娘。
その後ろにはその周辺の住民が逃げ込んでいるのが見える。下手にバラバラでいるよりこの方がいいだろう、田舎の農作業で鍛えた力自慢もいるのだ、という娘の判断。
「父はごろつき共がいるという酒場に向かい、それ以降はわかりません。それよりも先ほどの雄叫びはなんだかわかりますか。あの一声に答えるようにそこら中から獣やモンスターの声がして、村人たちが驚いているんです」
「あれはドラゴンの雄叫びだ」
後ろから口をはさむ騎士団長。イケメン、みなりはいかにも貴族という感じで胸当てをつける鎧姿。
「すまない。私は第6騎士団団長をやっているものだ。詳しく事情を説明する暇はないので無礼を承知でこちらから質問をさせてもらうが、その酒場はどの方角だ」
「私が案内しましょう」
「ではまた近くまで頼む。また事の次第を説明することと警護のために数名ここに残そう。詳しい事情と今後の事は彼らから聞いてくれ。よいな」
「わかりました」
そう言って外の一団を率いて酒場に走っていく。
彼らが走っていった先は
「いてぇよ」
「痛い。痛い」
うごめいている人間と
「何、首縄の奇術をかけられるほうがましさ。葬式代はでねぇが火葬は国がやってくれる。それに運が良ければ生きれるだろう。どっかの離島とかモンスターすらいるのか分からない寒い山奥とか、まぁそんなところだろうが」
運よく無傷で、というより途中で武器をすて降参したおかげで生き残ってる3人を縛りあげ監視するドーリーと
「Vさん。こいつ腕が両方折れちまってる」
「おい布をもっと持ってきてくれ。血が止まんぇよ」
「痛みますよ」
Vの指揮でケガを治している村人たち。
そして死体が2か3つ。
向こうには気が立ったドラゴン二匹。
「どういう状況だこれ」
今度は説明を求めることになった団長。
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