第48話 今川家の悪役令嬢様(8)

 だから俺の口から「おぅ、おぅ」、「ノォ~」とアザラシが鳴くような、変てこりんな声を漏らすのがまだ続いていくから。


 その様子がとうとう我慢ができなくなった数正の兄ちゃんは、


「氏真様! これ以上、我が君へと暴力を振られるのならば、自分の身体を思う存分! 氏真様が気が済むまで御蹴つりくださいませ! お願いします!」


 数正の兄ちゃんは再度今川の悪役令嬢さまへと深々と頭を下げ嘆願をしたのだった。








「黙りなさい! 数正! 貴方には関係のないこと! これは二人の問題! わらわのしつけです!」


 だけどこの通りだった、今川家の悪役令嬢さまは、数正の兄ちゃんへと、貴様には関係のないことだ! 他人はでしゃばるな! と。今川氏真あの阿保は何故かあの時に怒声を吐き、一喝した。


 だから「えっ!」と数正の兄ちゃんは、自分の下げた頭を上げ驚嘆した。


 でも今川の悪役令嬢さまの数正の兄ちゃんへの怒声はこれで収まる訳でもなく。


「誰が他所の女子おなごの妖艶な姿を見て、自身の顔をほころばせ、喜んでもよいと言った! このクソ変態子狸が~! 死ね! 死ね! 死んでしまえ! ち〇こを削ぎ落し、みたいにしてさしあげましょうか~! この子狸はぁ~! どうせ織田の織田信長おおうつけ、ヤンキー娘と毎日のように戯れ、交わっていたのでしょう。このクソ狸、変態狸小僧目がぁ~!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る