第10話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(10)
でも吉の親父が策を弄して、アイツの耳元で甘い言葉を囁いたらしい。
だからあのビッチのパン助、尻軽、セフレ女は直ぐにクソ爺の口車に乗り。
「本当に父ちゃん?」と驚嘆したらしい。吉の奴はああ見えても阿保だから。
でも織田のクソ爺は自分の馬鹿娘を見ながら、してやったりと思いつつ、自身の口の端を吊り上げ、ニヤリといやらしく微笑んだみたいだ。
まあ、これは俺の創造だけれど。
でッ、織田のクソ爺はこれで自分の夢……。織田家の旗を京に掲げる夢が成就できると思ったらいいぞ。
あのクソ爺は他人の顔の相を見るのが得意で、自分の娘の才能を見抜いていた。
そして猿や狸の才も見抜いていたから俺が吉と仲良くしているのも悪い顔はしていなかったのだが。流石に日輪さまの落胤らしい猿と、源氏の血は流れているが分家の、分家の分家である松平家……。
まあ、それならば、
まあ、
でもなぁ! その後は俺が率いるヤンキー集団の岡崎衆の武力がなければアイツの天下布武の事業も頓挫した可能性があることを忘れるんじゃねえ、ぞ! クソ爺と吉の奴は……。
俺が子供の頃の御縁を大事にして、
なのに? この世界も織田の馬鹿親子は俺のことを舐め捨てやがって~~~! と、俺の嘆きと愚痴が終わったところで話しを元に戻すのだが。
織田信長の問い掛けに対して「うん、本当じゃ」と織田のクソ爺は頷き、満身の笑みを浮かべると。
その後、血も涙も無い馬鹿親子は「いっ、ひひひ」と仲良く苦笑を浮かべる。
だけどそんなことを知らない俺は、その日の夜も吉の奴のストレスの鬱憤晴らしの体罰……拷問を受け。その後はアイツの異常なまでの精慾の捌け……。
まあ、その時は俺自身もまだ女を見る目がない、気持ちもわからない、幼い男であったけれど。後々考えればアイツなりに俺と永久の別れをするのは寂しかったのだろうと思う?
でも俺はそんなことなどわからないから次の日に「竹千代……」と織田信長に呼ばれ。
「……ん? 何、吉姉さん?」と狸と言うよりも? 柴犬の子犬みたいに可愛く首を傾げた。
でも吉の奴はみなも知っての通りの土壇場になれば冷酷……非情になれる女だから。
「今日であんたとアーシの仲は終わりだから」と告げ。
「竹千代、あんたは、信広の代わりに今日から今川の人質だから、バイバイ~、サヨウナラ~」
織田信長の奴は幼い頃の俺へと冷たい台詞で嘘を告げる……。
そう雌狐の吉の奴は弟のことなど、どうでもいい。只狸から猿へと乗り換えたビッチ女の癖に俺へと調子よく決めながら、踵を返し、背を、向け手を振りながら、自分の尻まで機嫌良くフリフリと振りながら姿を消していく。
でもあの時の俺は、爺二人の策略に吉の奴が了承をし。俺を猿との交換条件のために今川家へと売ったことなど知りもしないから。
俺はその場で力無くへたり込。
「うぅ、ううう」
と嗚咽を漏らしながら。
「吉姉さま……」
俺は幼いながらも男だから、力が無い自分に対して自戒しつつ男泣きをした。
「僕は必ず強い男になって、吉姉さまを盗り返しにくるから待っていてね……」
俺は嘆きながら泣き、決意をした。本当に阿保なお子様だったから。
まあ、そんな俺だから、人質生活間の苦楽を共にしてくれて、吉への恋心も知っている
「若、元気を出して行きましょう。若は将来名将になるのだから」
「そうですよ、若! 親吉の言う通りですよ! 若が生きてさえいれば、また織田の姫様とも逢えますよ。だから今回はもう泣かずに男気を出して、この場をカッコよく去りましょう……」
二人はさ、こんな俺の家臣にしとくのは勿体ないぐらいの奴だからさ。情けない俺のことを𠮟咤激励してくれた。
それも優しくさ、俺の肩に手を置きだ。
だから俺は兄貴分の二人へと「うん」と頷き。
「親吉と元忠、僕のことを励ましてくれてありがとう……。僕、強くなるよ……」と二人に自分の決意を告げれば。
俺は立ち上がり、下を向き、自分の腰を丸めながら、哀愁を漂わせつつ、その場を後にする。
そして後日俺は猿と交換されたことを知り、吉の奴に捨てられたことを悟り。
「あのくそ女~! 絶対に許さないからな~! 俺は必ず吉~! 貴様に復讐をしてやるからな~!」
俺は地団駄を踏みつつ復讐を誓う。
そんな幼少期を過ごした俺に今川の親父さまが初陣だからと下知をだしてきたので。俺は怨敵である織田信長達の手から、今川の親父殿の家臣である大高城の
◇◇◇
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