第11話 ちょっと話を遡り、転生した頃の話しだ(1)

「おぎゃ~、おぎゃ~、おぎゃ~」


 俺は大変に元気な子で産まれてきたらしい。


 そして泣く俺の声を聞いた、この世界の大変に若い親父さまは、これまた若い母上さまや身の回りの世話をする女中達に。


「おっ! どうだ? 俺の子は男か? 女か?」と嬉しそうに尋ねていたと思うぞ?


 でも、あの時の俺は、産まれたばかりで泣いているのもあるが、自分の身体の痛みが和らぎ、薄れ、自身の気が穏やかになったから。

 俺は自分の目を開ければ、そこは見知らぬ天井と、ちょんまげに結っている少年ガキと、中世の髪型をした若い女達の姿が瞳に映るから。


 こ、ここは何処? 何処なんだ?


 俺は赤ん坊のような声をだし、泣いてはいたのだが、実は頭の中では困惑……。動揺を一時の、時間していたと思う?


 でも俺は日本人でアニメやマンガ、ライトノベルは子供の頃からSNSを通じてよく視聴していた、見ていた、読んでいたから。

 俺はあの時に自分が置かれている立場を時間の経過と共に悟ることができた。


 だから俺はあの時ほど、自分が日本人でよかったと思ったことはない。


 だって他国の人は日本のアニメ文化を完全に理解ができないのではないか? と俺は思っている。


 だって国際連合や国によっては日本のアニメを禁止にしたらどうか? と言った話しもでていると俺はSNSのエ〇クスなどで視聴したことがあるからね。


 でも俺は日本人で、自分に起きた異世界ファンタジーな冒険譚の方もよくあるテンプレな話……。主人公ヒーロー達によくある出来事通りに、俺自身も前世で他界をしていまった。


 まあ、俺の場合はよくある交通事故での他界──異世界転生ではなく。アラサー男で彼女もいない独身貴族……。


 まあ、この年齢は一時流行ったから、よくある主人公の年齢だと思うけれど。

 俺の場合はここから少し他人さまとは違ってね。俺は会社の方も車や公共の乗物での通勤ではなく、自分で自転車のペダルを両足で回す、今流行り? の通勤スタイルで会社へと行き来していた。


 でもその日! 俺が他界をした日はね! 俺自身が偶々会社帰りにいつもの帰宅コースではなく。牛丼弁当を購入して夕飯にしようと街灯が少ない裏道を自転車で風になり帰宅の途についていた。


「きゃぁ~!」


 しかしこの通りでね、俺の許へとラブコメの女神さまが降臨でもしたのかな?


 まあ、ラブコメのヒロインさま染みた絶叫が俺の耳へと僅かに聞こえた気がした。


 だから俺は、何? 何だ? 何事……?


 今のは確かに女性の叫び声だったような気がした? と俺は思うから。


 その後は辺りをキョロキョロ確認し始める。


 でも俺が会社帰りの帰宅の途中と言うことは? この辺りは真っ暗闇に覆われている。


 その上、この通りは街灯も少なく漆黒の闇に覆われた死角が多々ある通りだから、俺は辺りを見渡して見ても声の主を確認することができないのと。

 もしかして俺の聞き間違い、空耳かもしれない? とも思う。


 だから俺は、この場を後にしてまた帰宅の途につこうかな? と思う。


 しかし俺の心の中の天使と悪魔が口論して、天使さまが大勝利をしたから。俺は再度聞く耳を立てる……。


 それも大変に注意深く……。


 俺は自身の耳へと神経を全部集め、耳を研ぎ澄ませながら周りの音を聞き始めるのだった。






《ブゥ、ウォ~ン!》


《ブゥ、ウォ~ン!》


 う~ん、やはり、俺の耳には車のマフラー音しか聞こえてこない。


 となれば?


 俺のやはり気のせいかだろうか? と思うから。

 俺はこの月明かりもない漆黒の闇に覆われた空間を後にしようと試みる。


 だから自分が騎乗している自転車愛車のペダルを聞き足で力強く、踏みまわそうと試みる


「うぐ、ぐぅ、うぅ、ううう」


 ……ん? あれだ……。俺の耳に人の呻き声……。


 それもドラマやアニメでよくある、他人に口を手か、何かで抑え、口止めをされているような呻き声に、俺は聞こえたから自転車愛車のペダルを軽く回し、直ぐ目の先にある駐車場の塀まで移動を試みる。


 そう如何にも俺が呻き声に対して気がつかずに、この場を立ち去ると言った嘘の行為を演技するために移動を試みる。


 そして着けば俺は、できるだけ音を立てないようにしながら、自転車愛車を駐車場の塀へと寄り掛けて固定をすると、足音を立てないようにしながら歩行……。


 それも辺りを注意深く、観察しながら最初の場所へと移動を試みる。


「い、いや~、ん。や、やめて、やめてください。おねがいします……」


 そして「誰か、助けて、おねがいします。うぅ、ううう」と女性の声……。じゃない、多分少女だと思われる声……。


 それも自分に今起きている厄災から犯人らしき者へと解放して欲しいと。自分のことを誰でもいいから救って欲しいと啜り泣きをしながら嘆願をしている声が、俺の耳へと間違え無しに聞こえると。




(お願い)


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