第9話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(9)
「太原雪斎ー! 織田の安祥城を攻め落とせー!」
「はい、分かりました、義元公……。すぐさま安祥城を陥落してみせましょぅぞ」と。
今川の親父殿と雪斎和尚の爺コンビがこんな会話をしたか、どうだかは、俺自身が軍議の最中に居た訳ではないから良く知らねぇがぁ~。
まあ、とにかく今川の親父殿は俺が
織田のクソ爺の息子である織田信広を雪斎和尚は捕らえ捕虜にすれば。織田のクソ爺と交渉……。
そうこの俺さまのことが
それとも自分の娘……。
まあ、この俺さまを人質交換の対価にして、今川家の天下盗りの切り札になる予定だった猿もキッキとセットでつけてやるからと。雪斎和尚を使者にだし、交渉をしたみたいだ。
だから織田のクソ爺が
「竹千代は今川家に返すからな」と。
あのクソ爺が厳格な顔で吉に告げたらしい。
でもあの頃の俺達二人は多分ラブラブだったと思うから?
「えぇ~、父ちゃん、狸を今川家に帰したらアーシのおもちゃがなくなるから寂しいじゃん」
吉の奴も厳格なクソ爺に下知をくだされても太々しい顔で不満を告げ、プンプンと悪態もしたらしい。
しかしだ吉の奴はクソ爺に「吉~、お前ないい加減にしろ。もしも岡崎の田舎侍の子を腹に宿したらどうする気だ?」と諫められたらしいのだ。
でもあの時のアイツは俺のことがLOVEだと思うから?
「別にアーシは構わないし」と。
「家は斯波家の家老の家で、その上分家の家だけれど。没落したとは言え、竹千代の家は松平の本家で源氏……。岡崎城もあるから何も問題ないはずだから……」
吉は再度俺との仲を公認しろ。そして役立たずの弟を捨ててしまえとブツブツと告げたらしいのだが。
「馬鹿たれが、信長~~~! 息子の信広を見捨てる訳にはいかん! それに吉、お前のおもちゃならば新しい者を、用意をしてやる。それも今度は没落した狸顔の田舎侍ではないぞ! あの
(お願い)
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