第8話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(8)

 だって信長達三人の次の獲物は、このメンバーの中でも一番の年下になる俺だからね、恐れ戦いていた。


 でもこのまま俺自身が年上の姉ちゃんや兄ちゃんに怯えていても拉致があかない。


 だから俺は佐々成政に集中して荒々しい所業……。虐めをおこなっている織田信長と池田恒興、前田利家の隙──。虚をつく作戦を決行することに腹を決めると。


 俺はうりゃぁ、あああっ! と馬鹿な二人みたいに威勢のある声を高らかに上げるのではなく。


「…………」と無言を決め込み。


 奴等に卑怯だと思われようが気にもしないで、敵の大将首──。次期には和の国の第六天の魔王へと麗しく成長する織田信長の背後を奇襲するために抜き足差し足忍び足でサッ、ササと近づけば。

 俺は竹槍を構えて一気に信長の背へと突撃を決行するのだ。


 しかしだ! 俺が突撃を決行をしたと同時に信長の口の端が吊り上がりニヤリと妖艶に微笑みを浮かべる様子が見えると。


「竹千代の卑怯者~。女子の背後を狙い襲い。凌辱しようなんて卑怯千万~! アーシがお仕置きの刑にしてやるべぇ~。おしおきだべぇ~!」


 信長の奴は嬉しそうに告げると、自分の身体を反転──!


 俺の小さな身体に竹の長槍を勢いよく突いてきた──!


 そう織田信長あのアマも悪知恵だけは働くのだ。何せアイツは戦国時代の劣勢を跳ね返した奇跡と奇襲作戦の一つであるを勝利へと導いた知将でもあるから。

 俺が直ぐに自分の気を高ぶらせ、カッ! と血を昇らせ、沸騰させる短気な性格であることをあのアマは熟知しているから。

 織田信長は策を弄して俺に罠をかけるために誘い、短期決戦で勝利を得ることを目論んでいた。


そんなことをあの頃の俺……。と会い。しばかれながら学ぶまでの俺は智謀、策略と言う物を知らなかったから。


「えい!」

「やぁ!」

「とぅ~!」


《ペチペチ》


《パチパチ》


 俺が織田信長の許へと詰め寄るまでに、アイツの長い竹槍で突かれた後はこの通りで、竹の撓りで三人から叩かれ放題……。


 俺の幼い身体中に赤い痣が多々できるまで体罰を受け続けるから。


「吉姉さま、痛い! 痛い! 痛いよ! 辞めて!」と。

「恒興や犬千代も辞めろよ! 辞めろ~! たかが吉姉さまの家臣や小姓の分際で三河の当主の僕に対してお前等はいい加減にしろよ~! 調子に乗るな~!」


 幼い俺はいつも絶叫を上げながらだが、池田恒興や前田利家の奴へと威嚇しながら荒々しく吠えに、吠えまくる。


「はぁ~、煩い、生意気だぞ! 竹千代! 年下の分際で! クソ生意気な! ぶっ殺してやる!」

「はぁ~、何が三河の当主だー! 竹千代ー! もう三河は今川の領地でー! 没落しているじゃないかー! そしてお前自身は織田家の人質でー! 俺達、姫様の親衛隊以下の下僕、おもちゃの立場じゃないかー! なのに? 調子に乗るなよー! 竹千代ー!」


 でも織田家の人質だった幼い頃の俺が吠えに吠え、威嚇をしたところで織田信長の取り巻き達……。池田恒興や前田利家に竹槍や各自の足で叩かれ、蹴られ、足踏みされるだけだから。

 幼い俺はいつも自分の奥歯を噛みしめつつ、今に見ていろ、俺は竹千代……。将来は徳川家康になり、漁夫の利を得てを達成……。になりになる男なのだから今に見ていろと……。


 俺は男泣きを「うぅ、ううう」としながら、その場は耐えに耐え忍ぶ……。


 でも俺への信長の刑罰! 折檻! と言う名の虐めはまだ終わらないのだ。


 まあ、食事を抜いたら、幼い俺が本当に死んだらいけないと思い、信長の奴は食事は分け与えてくれた。


 しかし俺が食事を終えると敗戦者の罰として一番幼く、可愛い俺のことを信長は自分の性欲の捌けにするために。俺を丸裸にして柱に縛り──。マジで鞭を持ってきて。


「竹千代~。あんたは~、何でいつもあんなに弱いの~? こんな様子だとアーシの天下盗りの役に立たないでしょう~! アーシは足利幕府を倒し、根絶やしにして京に織田家の御旗を立てるのが夢なのに~。この役立たず~! 弱虫~! 意気地なし~! 丁稚~!」


 一番年下で身体も小さい俺に対して信長の奴はいつも無茶苦茶な戯言を荒々しく告げてきては。

 俺の裸体に対してパチン! パチン! と鞭で叩いてきたよ……。


 だから俺の竹槍で受けた身体の傷が更に倍~! 倍~~~! で増えるのだ。


「痛い、痛い、痛いよ。吉姉さま……。もう、今日は堪忍してよ、お願いだから」


 俺は泣きながら信長に何度も嘆願をした。続けた。


 でもあの冷酷なサディスト女がガキが泣き、嘆願、命乞いをしたところで許してくれる訳ではなく。

 俺が泣き喚き、嘆願をする度にアイツは、自分の顔を桜色に染め、お酒にでも酔ったような目……。


 自分の目をとろりと虚ろにしながら妖艶に微笑み歓喜しつつ、自分に酔い、陶酔した台詞を更に吐きながら鞭打ちを続け、最後には己の性欲を満たすために、俺の幼い身体を他人に告げることなどできないような、魅惑的な行為でおもちゃにし続けた。

 俺は何せ織田家の人質であり、信長のおもちゃだから逆らい、楯突くことなどできない日々が続いた。


 でも俺自身は信長の飴と鞭の鞭は痛いが、飴の方はあの美女から優艶に可愛がってもらえる訳だから。俺自身満更この生活も悪くはないか? と思い始める。


まあ、何だかんだと言っても信長との仲は良好……。アイツは俺の彼女と言っても過言ではない存在だったから。


 俺の痛いけれど悪くはない人質生活の方も数年は続いた。


でも過去の時代を知っている者達はわかっているように、俺と吉との仲を切り裂く事件が数年も経てば起きるのだった。



◇◇◇



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