第7話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(7)

 でもこのまま寝ころんでばかりいると遅かれ早かれ、僕の敗退は確定となってしまうから。

 僕は成政へとロ○コンパンチや足バタバタ……。自分の腰をクイクイと動かし、ピストン運動で何とか起き上がろうと試みる。


 それでも僕と成政とはいくら男女だとしても年齢差があるので、小さい男の子がお姉ちゃんやお兄ちゃん達に敵うはずはないから。いくら僕が成政のチイパイをニギニギしたりかぶりついて「うぅ、ううう」と唸っても効果が余りな……どころか? 成政が僕の悪態に対して耐え忍べなくなるから。


「死ねぇ~」、「殺してやる~」


 成政の口から恐ろしい言葉が漏れると。僕の首は声が出ないほど締まるから。


「きょ、えぇ、えええっ!」


 僕の口から変な声──。世に言う末魔に近い声が吐かれると僕はそのまま堕ちて意識を失うのだ。


 それでも吉姉さまは第六天の魔王だから、一番年下の僕を虐めるのが大好きなので、桶に入った水をかけられ、起こされて。


「ほら、竹千代頑張れ、いっ、ひひひ。アーシにカッコ好いところを見せたいんだろう~?」


 吉姉さまは本当に嬉しそうに僕へと告げれば。その後も犬千代や恒興と一方的な負け戦……。タイマンを幼少期にやり続ける。


 そしていつも僕は心に誓っていた。

 いつか必ずあいつらを僕の力で躯にしてやるからなと。僕は尾張の奴等を心の中で憎み、吉姉さまをいつかは自分の性奴隷にしてやるからな、自身の奥歯を噛みしめながら日々の訓練をがんばり続けた。


 でも~、僕達……。いや俺達の訓練はこんなものでは終わらんよ。いっ、ひひひ~。


 だって現代日本で言う異種格闘技大会が終われば、今度は剣術の稽古……。


 それも吉姉さまが考えた武器……。今後の和の国の戦の仕方が変わる武器の一つであるを使用した剣術の稽古……。


 それも三体三の組分けの勝負でいつもおこなうから信長の奴も参戦する。


 でも信長の方は超槍が得意な奴が……


 そう槍の又左こと犬千代がいるのと、本当に普通の槍よりも竹の長さが長い~のと。信長と前田利家、池田恒興が使用する竹槍は撓り、ブンブンと恐ろしい音がするので。


「うりゃぁ、あああっ!」


 ヤンキー姉ちゃん、森可成が普通の竹槍を持ち、握り。あいつは本物の猪武者で阿保だから長槍部隊へと猪突猛進──!


 まあ、すればね。「えぃ!」、「やぁ、あああっ!」、「とぅ~~~!」と。


「面~!」

「突き~~~!」

「どりゃ、あああっ!」


 と威勢ある、荒々しい声が俺の耳へと聞こえるとね?


「いて!」、

「痛い!」、

「勘弁~!」、

「許してぇ~~~!」、

「参りましたぁ~~~!」


 あの阿保が先に一人で降参! 降伏! 白旗を振るから。俺と佐々成政との二人だけになり。三体二へと変わり。そうでなくてもこちらに槍の長さでハンデがあるのに、更に俺達二人はピンチへと堕ちるから。


 さて、どうしたものか? と思いながら。俺達二人はジリジリと後ろへと下がる。


 でも信長の奴は、自分達の勝利を確信しているから。


「早く二人共、アーシにかかってきなぁ~? あんた達二人みたいにいつまでもジリジリと後退するようならば。二人共々、共犯と言うことで夕飯は抜きで折檻~、体罰~、拷問の刑~。二人仲良くアーシのおもちゃにしてあげるから~」


 信長の奴はいやらしく微笑みながら俺達二人へと挑発……。自分の舌で唇をいやらしく舐め、俺達二人の動揺を誘う。


 でも信長あいつも名将かもしれないけれど。未来を知る転生者の俺はあいつよりも名将に違いないから。

 俺は信長の安易な挑発行為には乗らずに竹槍を構えながら奴との距離をとる。


 でもさ、俺と一緒のように敵との距離を測りながらジリジリと勇気ある撤退をおこなっていた佐々成政も、今の信長の煽りを聞き、異種格闘技で全敗をしている俺と共犯になるよりは、ここで信長達に負ける方が罰を受けないで済むと察するから。


「いやぁ~ん! 姫様~、覚悟~~~!」


 あいつは俺のことを裏切り、見捨てる策を弄して森可成のように竹槍を構えて信長達へと猪突猛進──!


「成政~、覚悟~! えぃ~!」


 信長の奴の甲高い声音での威勢ある言葉が俺の耳へと聞こえると。


「やぁ~!」

「突き~!」


 池田恒興と前田利家の嬉しそう……。弾んだ声音でのたまりませんわ~。嬉しか~と言った感情がにじみ出た歓喜の言葉が吐かれると。


「きゃ~」、「痛い」、「許して~」、「堪えて~」、「姫様~、お慈悲を~」


 佐々成政がダンゴムシのように丸くなり、自分の身体をガードしながらに悲鳴、叫び……。


 そして三人が佐々成政あの阿保の幼児体系な身体をパチパチ、ペチペチと叩く音が聞こえてくるのだ。


「いっ、ひひひ」

「はっ、ははは」

「わっ、ははは」


 と信長を筆頭に池田恒興と前田利家の三人の嘲笑いが幼い頃の俺の耳へと聞こえてくるのだ。


 それも織田信長の奴が、佐々成政のことを虐め尽くし、気が済むまで長槍竹槍の刑は続く。


 そんな佐々成政の悲惨な様子を幼い頃の俺は毎日の日常のように見ては、自分の顔色を青ざめながら猛禽類のように身体をブルブルと震わせながら見詰めていた。




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