第61話 今川家での生活が始まる(12)

 その方達の娘さま達からも。


「きゃ~」

「竹千代さま~」

「素敵~」

「何て凛々しいのかしら~」

「愛しています~」

わたくしのことを側室にしてください~」

「いや~、このわたくしのことを~」

「いや~、だめ~。竹千代さまの側室になるのは、このわたくしです~」


 今川家の家臣団の令嬢さま達からもやはり黄色い声音のエールも次から次へと飛び交う。


 だけどアイツ……。氏真の口からは「まあまあ、ですわね」としか、俺への褒め言はでないし。アイツと武術の披露後に目が合っても俺に微笑んでくれる訳では無く。


 プイ! と素知らぬ顔をして、その場からいつも立ち去るのだ。


 だから俺は、あの令嬢さまだけは相変わらずだなと、いつも呆れ顔で思い。中々俺の許にラブコメの女神さまが降臨しないな? と思っていた。


 でもある日に、氏真と偶々一対一で鉢合わせする、ラブコメハプニングが生じるのだった。



 ◇◇◇






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