俺流の徳川家康はこうだ! 未来を知る俺が尽くすならば、同じ悪役令嬢様ならば織田の姫様よりも今川の姫様の方に使える事にした!

かず斉入道

第1章 俺、竹千代君へと転生しました!

第1話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(1)


《ポコポコ……》


 あぁ~、お馬はみんなポッポコ走る~♪ 走るのだよ~♬ ではないけれど。


 僕は雲一つ無い空を馬上にて仰ぎつつ眺めながら。自分の遠い過去……。幼い頃の出来事を思い出しつつノスタルジックに浸りながら馬ちゃんを走らすのだ。


 自分の脳内の記憶の中からある顔と声……。


 そう大変に麗しい少女の容姿と清んだ声が、僕の脳内をグルグル回る。


「おい! 竹千代!」

「……ん、何、吉姉さま?」

「アーシ~、大人になったら岐阜と言う国を作ってさ、天下人になろうと思うのだけれど。竹千代、あんたさ、その時はアーシの家臣になってさ。アーシのために牛馬の如く働きなさいよね~。わかった〜?」


 本当に麗しく、勝気な少女が満身の笑みを浮かべながら僕に嘆願をくれる。


 だから僕もね、麗しい少女に対して、


「うん、わかったよ。吉姉さま……。僕は吉姉さまの一番の家臣になってあげるよ! そして敵の御大将へと一番槍で、敵を突いて! 大将の首を上げる武功を立ててあげるから、吉姉さま任せてよ!」と。


 幼い僕は彼女……。


 そう自分の姉のように慕っていた麗しい少女の願望だから、僕は彼女の夢を己の腕一本で叶えてあげるよ! と直ぐに頷いた記憶がある。


「えっ! 本当に竹千代〜?」


 勝気で麗しい彼女は、一応は武家の娘であるから、僕の決意を聞き、大変に嬉しそうに尋ねてきた記憶がある。


「うん、本当だよ。吉姉さま」


 僕はその時に威勢よく自分の胸を『ドン!』と叩き、男らしさを麗しい彼女へとアピールをしたのだ。

 でも僕は勝ち気で麗しい彼女……。


 そう、まだ幼さも残る少女だけれど、天女さまのように麗しい少女だから、僕は更に自分をアピールするのだ。将来は彼女と契り、夫婦になりたいと言った夢……。願望もある僕だからね……。


「吉姉さまだって知っているだろう? 僕の武術の強さは?」


 と、勇んで告げ、尋ねた記憶がある?


「うん、知っているよ。竹千代の強さは、アーシの家臣丁稚している犬千代や佐々、恒興、森可成達と変わらないぐらいの武術の腕もあるし、囲碁や将棋も強いから、戦術眼も悪くはない……。町のクソガキとの喧嘩タイマンでも竹千代は強いもんね~」


 僕が幼い時に一目惚れして恋に落ちた少女……。まあ、どこぞの、国人領主の勝ち気で麗しい姫さまは、この僕の技量が自分の抱える馬廻衆や小姓達とも変わらないぐらいの強さだ! と抜かしてきた。


 だからあの時の僕の顔は、鬼のような真っ赤な形相へと変わったと思う?


 そして変われば僕は鼻息荒く。


「な、何を言っているのだよ、吉姉さまは! 僕の方があいつらよりも強いし。吉姉さまの天下取りは僕がいなければ達成できないし! 僕だけいれば! あの斎藤道三や今川義元……。武田に北条……。あの弱小の蝙蝠大名浅井や名ばかりの名家の朝倉、六角だって僕が全部懲らしめて、えい! やぁ~! と成敗してやるから大丈夫だよ。わっ、はははははは……。吉姉さま、僕に任せてくれたまえ……」


 と、あの時の僕は本当に怖い物知らずと言うか?


 あの当時の吉姉さまの所領が、僕の大大名さまに差し押さえられている《《岡崎の所領10万石足らずと余り変わらないこと……。


 この後も一族を統一しても28万石前後ぐらいしかないことが、僕の頭の記憶の片隅にあったのにも関わらず、初恋の美少女に自分は強い男……。カッコ好い男だと思われたくてついついと大袈裟に言ってしまう失態を犯してしまった。


 でもあの頃の吉姉さまは僕のことを大変に可愛がってくれて、おもちゃにしてくれていたからね。


「そうなんだ~、竹千代は威勢が良くて立派でカッコいいね~」


 僕の初恋の令嬢さまは、北欧の美の女神、フレイヤさまと変わらいないぐらい麗しく、性格もよく似た姫さまだから。僕のことを担いで利用するために、彼女は優しく褒め称えてくれて。


「じゃ、竹千代がアーシのために生涯牛馬のように尽くし、盾ちゃんになってくれるのならば。その都度チュ~してあげるね、竹千代……」


 あの頃……。


 そうまだ幼かった頃の僕を吉姉さまは魅惑的に誘いながら褒美……。対価を提案してきたのだ。


「えっ! 本当に?」


 まだ初心うぶな僕は吉姉さまの提案を聞き歓喜した記憶がある?


 そして歓喜した僕は、あの時に何を血迷い、狂ったのかは知らないが……。


 まだ純情だった僕は、吉姉さまの提案を何か勘違いをしてしまい……。


 あの時にキスをさせてもらえるのかな? と勘違いを阿保だからしてしまい。


 僕は吉姉さまに対して妖艶に、自分の唇を尖がらせながら


「うぅ~ん」


 と誘い。子供の分際でキスを迫る、失態を犯してしまうのだった。




 ◇◇◇


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