第6話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(6)
「次は竹千代と成政のタイマン勝負初め~!」となり。
「二人共一敗しているのだから~。本気で戦わないと~。夜は食事抜き~。そしてアーシの身体洗い、ジャブジャブの刑と~。逆さ張りつけ、折檻の刑だからね~。わかった~、二人共~?」
吉姉さまは超がつくほどのサディスト姫だから怪訝な表情で僕と成政へと恐ろしい下知を告げ、最後にはニヤリと薄気味悪く笑う。
だから僕も成政も自分達の顔色を変えて「ヒィ~!」と変な声を漏らすのだが、直ぐに二人仲良く我に返り、対峙──!
だって吉姉さまの恐ろしい性癖の罰……。まあ、折檻と言う奴は本当に身の毛がよだつほど恐ろしいのだ。
だから今まで自分の顔を緩め、鼻の下を伸ばしていた僕や自分の身体中が水で濡れ、やる気無しをちゃんへと変貌している成政も真剣な顔へと変わると。
「ファイト!」
南蛮、バテレン好きな吉姉さまの口からちょっと覚えた英語の単語……。
そう良くある歴史のタイムスリップやタイムリープの異世界ファンタジーの冒険譚の
「吉姉さま、知っている?」
へっ、へ、へん! と空威張りをしながら尋ね。
「僕の目の前で吉姉さまが三回、回ってワン! と泣けば教えてあげるよ。いっ、ひひひ~」と苦笑をすれば。
くるくるくる──。
「うぅ~、わん! わん! わん!」
僕の眼下で吉姉さまは可愛く四つん這いになり、くるくると三回、回れば吠えてきたから。
僕は四つ這いをする吉姉さまの頭をヨシヨシと撫でて、そして終われば英語の単語や簡単な英文を教える。
でも女魔王のような吉姉さまが四つん這いをする行為を辞めて立ち上がると。
彼女は大変に恐ろしい形相……。まさに魔王の如き形相で僕のことを睨んでくれば。
「竹千代~~~! お前だけは絶対に許さん! アーシのことを舐めやがってぇ~~~!」
吉姉さまがキャンキャンと鳴き、ガルルル! と吠えながら僕へと荒々しく不満を告げると。
僕のお腹……。中心……。溝内へとワンパンだよ!
だから僕の口から「うっ」とだけ苦しそうな声が漏れ、自分のお腹を押さえながら俯き加減になるから、吉姉さまはここでラブコメのヒロイン達のように超強力なアッパーを僕へと食らわせてくる……と言うことはしない。
まあ、しないよね……。
彼女はみなさんの知っての通りの破天荒……。奇想天外な発想や行動を平然とし、天下布武を後少しで手に入れるところまで上り詰めた、この倭の国の天才児だから。
僕はラブコメのように吉姉さまから超強力なアッパーカット! を「ごちそうさま」と頂く訳ではなく。
彼女に柔術の足払いで、ヒラリ~! ドン! と後頭部から倒されて──!
「いてぇ、えええっ! いてよ~~~!」
僕は絶叫を上げながら自分の後頭部を押さえながら。
「うぎゃぁっ! うぎゃぁっ!」
と更に絶叫を上げつつミノムシのようにゴロゴロと転がり、抗っていると。
「ぐふっ」と「あがっ」、「あが、ががが」だよ。
また僕の口から声にならない、声と悲痛な声が漏れるのだ。
だって僕の口の中に吉姉さまの柔らかく、小さな足先が強引に入る……。
そう突っ込まれているから僕は自分の口を大きく開け──。顎が痛いのと息苦しさの余り、変顔で悲痛な声……。声にならない声をだしつつ「
「竹千代~。アーシにドッグの刑にしたから、あんたは~、死刑~、オッケー?」
吉姉さまは僕のことを冷たい目をしつつ見下ろしながら、自分の足をウリウリとしながら虐めを心底喜びながら。僕の懺悔や命乞いを聞き入れてくれない。
だから僕はこの後も吉姉さまの破天荒な拷問に晒され、他界するか? と思う荒々しい行為……DVを受け続ける。
そして今僕と組み合いを「やぁ~!」、「とぉ~!」と威勢の良い声をだしながら、取っ組み合いをしている成正自身も吉姉さまの小姓だからあいつもかなり酷い目に遭っているのでお互いが真剣な眼差しで
「いや~!」
「とぉ~!」
「やぁ~!」
「えぃ!」
《パチン!》
《パチン!》
《ドカン!》
《ドカン!》と。
僕の前世が産まれ育った日本の空手の組み稽古みたいにさ、グローブや空手のヘッドギアも装着していない状態……。生身、素手……。極真空手の組み稽古みたいに僕と成政は殴り合い、蹴り合いをね。
「いや~!」
「とぉ~!」
威勢のある声をだしながら進め、おこなうのだが。僕が何かの拍子で成政に受け身で捕まったり、避けられたりし、そのまま抑え込まれると。この中で一番の年下……。
成政や犬千代、恒興、鬼武蔵、吉姉さまは当たり前だけれど。五歳近く離れている僕はいくら華奢な成政であろうとも柔道の寝技のように抑え込まれると身動きがとれない。
だから成政の身体を触りくすぐりの刑にして抗おうが全く効果が無いから。あいつの耳を噛んだり、舐めたり、チュチュ攻撃をしても首を強く絞められ、僕が息苦しく辛いだけ……。
(お願い)
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