第103話 お~い、氏真! (1)

「お~い、氏真~!」


 まあ、題の通りでね。今川家で、肩で風を切りつつ、スクスクと育っている今川義元公麻呂の評判も家中! 臣下で一番いい、将来の天下盗りさま……。徳川家康公の俺なのだが、今日も朝から太原雪斎和尚の口煩い講義を撃とうとしながら聞き、答え、書き、座禅も組んで己の肩を爺にパチン! と叩かれ。


『痛い!』と反抗的な声をだし。雪斎和尚さまから『このおおたわけが!』と叱られ。グチグチと口煩く叱られた後は……。


 今川家の麻呂こと……。自称文化人の今川の親父さまや奥方さま……。その他の側室の奥方さま……。人質の国人衆の奥方さまや令嬢さまの居る中で、麻呂爺のお供、お世話で和歌や短歌を少年らしくな甲高い声で歌い。淑女さまやお姉さま、少女、女の子達を源頼朝東の征夷大将軍さまの少年期の頃……。平氏の淑女さまやお姉さま達を魅了……。虜にしたように唄い、奏でながら、みなさまから絶賛……。


 ふっ、今日も俺のファンが増えたな、恋文の返事を返すのが今日も大変だと、俺の身体マジで持つかな? と思いつつ、今川の親父さまのお相手が終われば。その後は武芸の練習……。

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