第29話 まだ終わっていないでごじゃる(4)
あの時の俺は、未来からの転生者らしい知識で、今川の親父さまへと提案をしてみた。
「竹千代、火縄銃とは何で、ごじゃるか?」
でもあの時の俺はまた失態を犯してしまった。
そう俺的には、中世の侍ぽくライフル銃のことを火縄銃と告げたつもりだけれど。この頃はまだ種子島と呼ばれていたらしく、やはり織田家での人質生活……。
今川の親父さまは俺に火縄銃とは何か? と尋ねられると、また自身の目を細め、鋭く、
俺はマジで困ったな~、この昭和の団塊世代みたいなおっさんはと思い。すぐにイライラするなよ! とも思いつつ。
「あっ、ははは。あの、御方さま……。火縄銃とは種子島のことで織田家ではハイカラな言い方をしているのでございます」はっ、はぁ~! と俺は頭を深々と下げながら武士らしく説明をした
「ふむ、なるほどで、ごじゃるなぁ……。今川家も織田の田舎侍に負けぬよう、今後は種子島のことを火縄銃と申す事にするで、ごじゃる」
「「はっ、はぁ~」」だよ、みんな、この謁見の間に居る者達は……。
まあ、とにかくさ、今川の親父さまは武田や北条、斎藤道山よりも
今後も
俺の時代錯誤の言い方間違えはこれで終了するのだが。
「竹千代殿?」
「ん? 何でございましょうか、雪斎和尚さま?」
今川の親父さまへの家臣一同の一礼……と言っても? 太原雪斎和尚と俺、徳川家康と俺の付き添い……。部屋へと案内をしてくれていた武士の兄ちゃんの三人なのだが、一礼が終わり頭を上げると雪斎和尚が俺に声をかけてきたので首を傾げ尋ね返すと。
「連射可能な銃や大筒とは何で御座いますかな?」
雪斎和尚は年甲斐もなく困惑しながら俺に尋ねてきた。
「あっ! それ! 麻呂も何で、ごじゃる、と思っていたで、ごじゃる?」
「あっ、私もで、御座います……。先程から竹千代様が申される事は、私のような凡人では何が何やら解らず、話についていけられない状態で御座います……」
雪斎和尚の俺への問いかけに対して、今川の親父さまだけではなく、武士の兄ちゃんまで参加してきたから。
俺は自分の後ろを振り返り、あら! と思い。その後は前を向き、三人へと説明を始めるのだった。
◇◇◇
(ここまで)
早合式
早合は、木、竹、革または紙を漆で固め、それを筒状に成型し、その中に弾と火薬を入れた筒状の物である。早合の中は底から、弾・火薬の順につめられ、頭部は弾丸の径よりも小さく造られており、口は革製のたんぽ、木栓、またはキャップ状の蓋等で塞がれている。
装填方法
早合を装填する場合は、先ず蓋または栓をとり、立てた銃の銃口へ蓋をとった一端から火薬とそれに続く弾を一気に注ぎ込み、更に槊杖(かるか、または、さくじょう)を使って薬室に衝き込むという方法がとられた。熟練者なら発砲後の次弾発射準備が18〜20秒で完了する。(通常時38〜40秒) 携行は「胴乱(どうらん)」と呼ばれるポーチ状の物に入れたり、紐に数珠繋ぎとして肩から袈裟懸けにする等の方法がとられ、これを銃と共に携行した。
、武田はその策を今後は検討しますが、北条の方はどうするおつもりでござるか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます