第91話 あれから? (2)

「あなた~!」


《ドン!》


「誰が女中とよろしくやれといいましたか~?」


 俺のことを背後から回し蹴りで蹴り倒した女……。奴……。そう今川氏真今川家の悪役令嬢さまがあの日……。


 この徳川家康タヌキ爺が告白した次の日から、俺の浮気を防止するためにこの通りだ。


 俺が女中の姉ちゃん達に以前のように悪戯を施してやろうとすれば、身分を考えろ! と憤怒しながら諫めてくる。


 となれば? 俺は歴史的にも豊臣秀吉エロ猿と双璧をなす、徳川家康エロ狸だから。今川館で俺のように人質として暮らす、国人領主達の奥方さまや姫さま達へと標準を変え──!


「えっ、へへへへへへ。よいではないか! よいではないか!」と。


 今川館の木陰……。やはり、誰の目にも触れない場所へと俺は両腕を上げ──! ワシワシと追い込み!


「いた、だきまぁ~すぅ!」とう〇星やつらの諸星〇たるやル〇ン三世のようなダイブをして女盛りの熟れた肢体や発展途上の肢体を貪ろうとすれば。


《ドン!》


 やはり今川氏真今川家の悪役令嬢さまが俺に回し蹴りを入れ、吹き飛ばし、邪魔だてをする。


 でッ、その後は、


「御用だー!」

「御用ですわ~!」


 頭に白の鉢巻きを蒔いた。自称今川氏真今川家の悪役令嬢さまの親衛隊の二人……。井伊直虎と朝比奈泰朝達から薙刀の刃を突き付けられるから。


「お前等~~~! いい加減にしろよ~! 俺だって男だー! それも女の柔肌を知っている男だー! お前等が~、俺の男の性を成就してくれないのだからいけないのだろうが~!」


 俺は自分に薙刀の刃を向ける二人と今川氏真今川家の悪役令嬢さまのことを以前のような可愛く、僕ちゃんではなくて、俺と荒々しく唸り、ワンワンと吠え。


「何で氏真~! お前等に俺達の居場所がわかったのだ~~~!?」と問う。




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