第21話 では代案を出せと言ってくるでごじゃる(1)
「……竹千代、代案を出すで、ごじゃる」
ガキの俺がエッヘン! どうだ! 俺は未来人だから色々なことを知っているから。ごじゃる、の爺、俺に感謝しろよ! これで多分、蹴鞠好きの氏真は領地とこの屋敷を多分失うことはない? と思う。
だから
今度は武田や北条とは全く関係のないことだけれど。
あの姫さまって、どんな容姿をしているのだろうか? と思い。
吉の奴とどちらが美人なのだろうか? と思えば。確かドラマでは築山御前は、今川の血筋を鼻にかけ、ツンツンとした高飛車……。ツンデレ姫さまってイメージがあるのだけれど?
でも俺の場合は、身体は幼児だけれど、中身はアラサー男のおじさんだから小娘の我儘も大人の包容力とZ世代は気長で温和……。特に女性に優しい日本人の男の上に、Z世代は特に女性には優しいと自分は思っているから、少女のツンツンは吉同様に我慢……。まあ、耐え忍べるから大丈夫だ! と思えば。
その後は自分の脳内でニヤニヤと歴史上の
だから俺は「代案ですか、御方さま?」と首を傾げた。
「うむ、そうで、ごじゃる」
あの時の今川の親父さまは俺に早く言えと目で訴えかけてきたような気がする?
でも俺は子供らしく「う~ん」と唸り、考える人へとなり、一旦この場に間を作って終えると。
「そうですか……。代案ですか……。そうですよね……」
俺は今川の親父さまが不機嫌極まりない顔をしていようが気にもしないで、また考える人へと変化……。無知、無邪気な子供のように振り舞いながら再度考える人へと変化して、今川の親父さまへの回答をじらし、反応を見た。
「竹千代殿、何か良い策はございますかな?」
俺が天井を見詰め、爺二人から視線を外し「う~ん」と唸れば。今度は雪斎和尚さんが尋ねてきた。
「はぁ、そうですね……」
俺が意図的に、気が抜けた声で言葉を返せば。
「先程雪斎和尚が説明をした通りじゃ。余は少しでも早く京へと上がりたいので、ごじゃる。その為にはどうしても武田との同盟は欠かす訳にはいかないで、ごじゃる」
俺が謁見の間にくるまでは、雪斎和尚に
だから俺は、爺二人を急かすのは、ここらで辞めだ! 辞め! これ以上二人を急かせば、ガキであろうとも、大人の
「……では御方さま、僕の代案はですね……」
俺はまた時代劇の真似をしながら、自分の上半身は下げつつ礼──。だけど今川の親父さまの顔と目を見ながら、三英傑の一人に恥じない眼光を浴びせつつ口を開いていったのだ。
◇◇◇
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