第2話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(2)

「吉姉さま~!」


 僕は彼女の名を呼びながらダイビングしつつ『ブチュ~』とした。


 それも一度ではなく、何度も僕はタコさんになって吉姉さまを押し倒して、


『ブチュ、ブチュ』


 と唇だけではなく、優艶な彼女の頬にも幼い僕はキスを~! 接吻を~! まあ、続けたと思う?


 だから吉姉さまは、自分の顔色を変えてね。


「ちょ、ちょっと竹千代ー! あんた~、アーシに何をしているのー? 辞めなさいー! 離れなさいー!」


 タコさん、イカさんになっている、さかりのついた僕のことを彼女は大変に困った顔をしながら諫め! 退け! 抗い続けてきた。


 でも僕は吉姉さまが『チュチュ』しながらヨシヨシと頭を撫でてくれると勘違いをしている子狸だから。


「何でだよ~、吉姉さま~? 吉姉さまは~、僕が丁稚になればチュチュしながらヨシヨシしてくれると言ったじゃないか?」


 僕は確かこんな不満を吉姉さまへと告げ。


 その後は?


「ひっ、ひひひ~、あっ、ははは~、でっ、へへへ~」


 僕は大変に薄気味悪く、いやらしく微笑んだと思う?


 そして微笑みながら僕は自分の脳内で。


『吉~、よいではないか~? よいではないか~?』


 と思うのだ。


 あの時の僕は実は~? 《織田家の人質》》の分際だったのに、織田家の家老……。織田信秀さまの姫さまである織田信長吉姉さまを強引に誘い。『チュチュ』の雨嵐攻撃を僕辞めずに続行をし続けたと思うよ?


 だから吉姉さまの顔が段々と怒り顔……。真っ赤な顔……。


 そして最後には大〇神のような超イケてる! 怒り顔へと変わってしまったから。この後はラブコメの物語でよくある、テンプレ通りに。僕の許へと勝利の女神さまが降臨してくれた訳では無く。ラブコメの女神さまが降臨されたから。


「竹千代~! 調子にのるなぁ~! ぶっ殺してやる~!」


 僕はとなる、織田信長吉姉さまの逆鱗に触れた訳だから。直ぐに彼女は幼い僕へと鉄拳制裁……。


 特に織田信長吉姉さまは手加減などしないタイプの令嬢さま……。


 そうだから。


《ボコッ! ボコッ!》


《ガン! ガン!》


 僕の顔の形が変わるまで、織田信長吉姉さまは顔面を殴り続け……。


 そして僕の身体も蹴り、踏みを続けてきた。


「吉姉さま~! ごめん! ごめん! ごめんなさい~!」


 だから僕は慌てて織田信長吉姉さまに慌てて許しを乞う。


 しかしだ! 将来は日の本の第六天の魔王となられる織田信長吉姉さまに、子狸の僕が謝罪をしても許してくれる訳などないから。


《ドン!》


《ドン! ドン!》


「死ね! 死ね!」


 織田信長吉姉さまは更に僕の顔を踏むは! 身体は蹴り! 蹴り! の連打攻撃を僕が謝罪をすれば、するほど強く蹴り入れてきた。


 それでも僕は織田信長吉姉さまのほんの僅かな優しい心へと祈るように。


織田信長吉姉さま~、許して~!」、「堪忍してやぁ~!」、「お願いだ~!」


 と嘆願……。命乞いをした。


「煩い! 黙れ! 竹千代~!」、「よくもアーシの柔らかい唇に、たこさん、のように貪りついてきたな~! 貴様~、竹千代~! お前だけは許さん! 死ね~! 死ね~! 死んでしまえ~!」


 しかし僕が『ワンワン』と泣きながら、何度も謝罪をしようとも、一度へ、と化した吉姉さまはこの通りで……。


 僕がいくら涙を流しながら嘆願……。命乞いをしようとも織田信長あのひとは、幼い僕の身体をボロ雑巾のように本当にボロボロとなるまで、


「あっ、ははは~!」、「わっ、ははは~」と。


「あぁ~、カ・イ・カ・ン」


 と最後には気の抜けたような声を漏らして、


「アーシ、竹千代に折檻していたら昇天しちゃったよ~。あっ、ははは~」とね。


 彼女! 吉姉さまはね! 自分にサド気の性癖があることを僕には包み隠さず教えてくれながら。僕の幼い身体へと飴と鞭の御褒美と折檻を繰り返しては彼女……。


 まあ、あのひとは毎日の日々を楽しんでは、自分のストレス解消の捌けにしていた……。まあ、僕はされていた。


 しかし僕のように吉姉さまのストレス解消の捌けにされていた丁稚の奴等は他にも存在していてね……。


 そいつらと僕は本当に毎日大変な日々を過ごしていてね。


 特に僕の場合は、いくら織田の人質の身分であろうとも、本当ならば三河は岡崎城の城主であり、吉姉さまと比べても、石高の方も遜色ない家柄なのにさ……。尾張のろくでなし、傾奇者……。


 まあ、現代日本で呼ばれてヤンキー達……。


 そんな素行が悪い乱暴者達を男女と問わず吉姉さまは好んで集めては相撲や体術の稽古……。


 そう、先程僕が名前をあげた馬鹿者達……。池田恒興、前田利家、佐々成正、森可成達……。


 まあ、他にも色々な輩がいたけれど……。


 ほとんどの者達が織田信長吉姉さまについてこれずに脱落……。


 まあ、中には大怪我をして動けなくなった者や本当に他界をした者達もいると、尾張の奴等が言っていたぐらい。


 僕等は吉姉さまの下知の下──。生死をかけた争い……。


 そう吉姉さまの下知で本気の喧嘩タイマン勝負を強引にやらされた。


 でも僕自身も負けん気は強い方だから男である恒興や犬千代との本気の殴り合いや相撲をとっても何も気にしはしないけれど。


 佐々や森可成は吉姉さまと一緒で女人にょにん……。今流行りの姫武将と言う奴だから流石に可哀想……。


 だから僕は男の子なので、姫武将達の顔だけは殴らないように心がけた……。


 特に佐々も、森可成もまさに尾張美人と言った感じで大変に麗しい……。


 そう僕の憧れだった吉姉さまと比べても遜色ない容姿をしていた可愛い国人衆の令嬢さまと町娘だったけれど。森可成はみんなも知っての通りで、別名【鬼武蔵】と呼ばれていた剛の者でね。尾張の町の不良達をシメていたヤンキー姉ちゃんでさ。いつも尾張の町中を肩で風切り、振って、威張り歩いているのを。


『いい者、見つけた~!』、『こいつはいいわ~』、『使えそう~』、『よ~し、スカウトするぞ!』


 と吉姉さまが気に入り、声をかけ、連れてきた剛の者だから本当に強くてね……。


 あいつ、森可成鬼武蔵とさ、僕が相撲をとっている時に、女人の柔肌が自分の肌に当たり、擦れ、触れるものだから、根っからのスケベな僕は、ついついいけないこと! 悪いこと! スケベなことだ! とわかっていても僕──。は大の女性好きでね。根っからの超スケベな男……。


 そう僕は近代日本で流行りのと言う奴だから未来人としての記憶と過去の記憶……。将来は……。の一人……。となられるとしての二つの記憶があるから。



(ここまで)



【鬼武蔵】の奴を大人の知恵と力……。僕が未来の日本で他界をした時はアラサーと呼ばれる年齢だから、まだ子供……。小娘である【鬼武蔵】なんて、チョロイ、チョロイと高を括っていたけれど。


【鬼武蔵】の色香……。年頃の娘の甘い香りがね、前世では独紙貴族……。お金が無くてね、彼女も居ない、一人寂しく生きていた、アラサーと呼ばれる年齢だった僕の鼻の奥の鼻孔をくすぐり、刺激するから。


 僕の頭の中はクラクラする……。


 その上、あいつ! 【鬼武蔵】の柔らかい肌が、先ほども僕が説明をした通りに肌と肌が当たり、触れ、摩擦を起こすから。


 僕の煩悩は破壊され、壊れ、あの甲府……。甲斐の武田氏の本拠地を叩く戦で大活躍を見せた【鬼武蔵】の前で大きな隙を作る失態を僕はわかっていても犯してしまうから。


 ここはラブコメのお約束……。テンプレ通りにね、事が運んでしまうから。


「隙あり~~~!」


【鬼武蔵】こと森可成の可愛い口……。唇がキュートに開き! 威勢のある声がしたら。

【鬼武蔵】は僕の緩み、にやけた顔へとボクシングのフック───!


 そして腹部へと空手の必殺正拳突きが入るから。


「あがッ」、「うぐッ」


 僕の口から変な声が漏れて、その後は唖然……。そして僕は膝をついてしまうから。


 今度は僕の顔へと【鬼武蔵】のカモシカのようにすらりと伸びた足の、足の裏での前蹴りが僕の顔面へとお約束で撃ち込まれるから。


 僕の口から。


「あぁ、ああああああああああああっ!」


 と、気の抜けたような覇気の無い声と共に身体は後ろへと倒れようとするのだけれど。


【鬼武蔵】の奴は、このまま僕のことを安易に寝かす……。


 そう気絶をさせてくれるようなことはいつもしてくれない、意地悪ヤンキー娘大変に優しい御姉さまだから。あの阿保は直ぐに僕の後頭部へと回し蹴りの延髄蹴りをおこない、食らわしてくるので。僕の鼻から更に血が『ブゥ~!』と吹き出る。


 でッ、その後も僕はいつもお約束通りに。


「うぎゃぁ、ああああああっ!」、「ぎゃぁ、ああああああっ!」


 と面白い絶叫を吐くから。


「あっ、ははは~。竹千代は面白いな~~~! マジで~! アーシ笑えたよ~。きゃ、ははは~」


 吉姉さまは僕の悲惨な姿を見て歓喜──!


 自分のお腹を押さえて笑い続けてくれるから。


 僕はこの場面で吉姉さまへと、『そう』と答え。


『僕は愛しの吉姉さまが喜んでくれるならば、これほど嬉しいことはないよ。あっ、はははははは……』


 と、自分の後頭部に手を当てながら喜ぶだけの余裕が。まあ、当たり前だけど無い。


 だって【鬼武蔵】はと吉姉さまが仇名をつけるぐらいだから、あの阿保は一度精神の桁が外れてしまうといつもこの通りでね……。


「うりゃあああっ!」、「おりゃぁ、あああっ!」、「このスケベがの竹千代がー、他界してしまえ!」、「うちが冥府に送ってやる!」


【鬼武蔵】の奴は、只の吉姉さまの一家臣の分際……。


 それも吉姉さまは森可成鬼武蔵の奴を足軽としてさえ登録をしていなかった可能性さえもある只の平民の分際で。一応は今川家に城を奪われていた状態でいたけれど。僕は仮にも吉姉さまと一緒で一応は城持ちの殿さま……。


 僕の持つ岡崎の石高だって、この当時の織田信長吉姉さま……。まだ織田家の家老の家の娘だから、ほとんど変わらない状態の殿さまに対して【鬼武蔵】は、あいつの仇名通りに、鬼のような攻撃を幼い僕へと連打──! コンボで繰り出してきて──!


 僕のこの可愛らしい顔を踏みに踏んだ! 


 そしてサッカーボールのように蹴りに蹴るから。


 僕のこのイケメン顔は両瞼を青く腫らして……。鼻血を大量に垂らしながら頬も腫れに腫らした本当にへと変化した状態で、僕はダンゴムシ……。


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