第2話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(2)

「吉姉さま~! ごめん! ごめん! ごめんなさい~!」

 そして「許して~!」、「堪忍してやぁ~。吉姉さま~!」と僕が心から嘆願しても。


「煩い! 黙れ!」、「竹千代~! よくもアーシの柔肌、胸に貪りついたな~、貴様は~! 死ね~! 死ね~! 死んでしまえ~!」


 まあ、この通り……。あの通りだよ、吉姉さまはね……。


 僕が涙を流しながら嘆願しようが吉姉さま……。いや~、あの女は僕のことを何度も優艶に誘い、騙し、折檻……。血祭りにして喜び……。


 ボロ雑巾のようにボロボロになった僕を最後はあの女──!


「ケラケラ」。「あっ、ははは~!」、「わっ、ははは~」。「あぁ~、カ・イ・カ・ン」と最後には気の抜けたような声を漏らして「アーシ、竹千代に折檻していたら逝っちゃったよ~。あっ、ははは~」と。


 吉姉さまは自分にサド気の性癖があることを僕には包み隠さず教えてくれては、飴と鞭の御褒美を毎日のようにくれては、自分の精慾を解消していたのだ。


 だから僕のように吉姉さまの丁稚……。いや、近衛隊? 馬廻をしているメンバー達は本当に毎日大変な日々を過ごしていのだ。


 特に僕は本当ならば三河は岡崎城の君主で吉姉さまと比べても遜色ない存在……。家柄なのにさ、尾張のろくでなし、傾奇者、ヤンキー達……。男女と問わずのメンバー達と相撲や体術……。


 そう、先程僕が名前をあげた馬鹿者達……。池田恒興、前田利家、佐々成正、森可成達とタイマン……。喧嘩を強引にやらされた……。


 まあ、恒興や犬千代は男だから殴り合いや相撲をとっても何も気にしないけれど。

 佐々や森は吉姉さまと一緒で女子にょにんだから流石に可哀想でさ……。


 できるだけ顔は殴らないようにしてはいる。佐々も森可成もまさに尾張美人と言った感じで大変に麗しい……。


 そう僕の憧れだった吉姉さまと比べても遜色ない容姿をしていたけれど。森可成は別名【鬼武蔵】と呼ばれていた剛の者でね。尾張の町を締めていたヤンキー姉ちゃんでね。いつも威張り、肩で風切って、振って歩いているのを吉姉さまがスカウトして連れてきた者だから。

 あいつと相撲をとっている時に、女人の柔肌やまだ未発達なオ〇パイが僕の肌に当たり、触れるものだから。


 まあ、根っからのスケベな僕……。


 そう先程も吉姉さまとの優艶なじゃれ合いを少しばかり説明をしたけれど。僕、松平元康は大の女性好きでね。根っからの超スケベな男……。


 特に僕は今流行りの異世界転生者と言う奴だから二つの過去の記憶があるから。

 何とか未来の日本の記憶を駆使して、今日こそは【鬼武蔵】を手込め、凌辱してやろうと『いっ、ひひひ』とテクニックを駆使しながら思うのだが。


 まあ、こう言った場面はアニメやマンガのお約束だよ。


「隙あり~~~!」


【鬼武蔵】こと森可成の可愛い口……。チュチュ、ペロペロとしたい唇が開き、威勢のある声がしたら僕の緩み、にやけた顔へとボクシングのフック───!


 そして腹部へと空手の正拳突きが入るから。


「あがッ」、「うぐッ」


 僕の口から変な声が漏れ、唖然……。その場で膝をつくから。

 今度は僕の顔へと【鬼武蔵】のカモシカのようにすらりと伸びた足と足の裏での前蹴りが入るから。

 僕の身体は後ろへと倒れようとするけれど。【鬼武蔵】は直ぐに僕の後頭部へと回し蹴りの延髄蹴りをおこなうから。

 僕の鼻から更に血が吹き出て、


「うぎゃぁ、ああああああっ!」と面白い絶叫を吐くので。


「あっ、ははは~。竹千代は面白いな~~~! マジで~! アーシ笑えたよ~。きゃ、ははは~」


 吉姉さまは僕の悲惨な姿を見て歓喜──!


 自分のお腹を押さえて笑い続けるけれど。


 僕はここで「そう」と答え。「吉姉さまが喜んでくれて僕も嬉しいよ~。あっ、ははは~」と自分の後頭部に手を当てながら喜ぶだけの余裕ない。


 だって【鬼武蔵】の柔肌やチ〇パイを多少なりは貪り、悪戯した根っからのスケベな【元康君】だからね。


「うりゃあああっ!」、「おりゃぁ、あああっ!」、「このスケベがの竹千代が~、他界してしまえ~!」、「冥府に送ってやる~~~!」


【鬼武蔵】の奴はたかが吉姉さまの一家臣の分際で、はまだ僕自身も今川家に城を奪われていた状態だったけれど。

 僕も吉姉さまと一緒で一応は城持ちなのに、あいつは自分の身体を悪戯したからと鬼のような攻撃を連打──! コンボで繰り出し──!


 僕のこの可愛らしい顔を踏みに踏んだ! そしてサッカーボールのように蹴りに蹴るから。

 僕のこのイケメン顔は両瞼を青く腫らし、鼻血を垂らしながら頬も腫れに腫らした状態へと変化しながらダンゴムシ状態……。


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