「泰朝と直虎」

　今川氏真（今川家の悪役令嬢さま）が俺のことを薙刀の柄で取り押さえている二人へと自分のシャープな顎を使い、クイクイ、俺をやれと指示をだすから。

　この後俺はラブコメの女神さまがまた降臨して主人公（ヒーローさま達）のような所業に遭い、二人の令嬢さま達から、薙刀の柄で身体を突かれるから。

「うげぇ～。痛い！　痛い！　痛いぞー！　痛い！　泰朝と直虎いい加減にしろ辞めないかぁ～！　たいがいにしろよ～！」

　俺は悲痛な顔で絶叫交じりで二人へと唸りつつ辞めろと諫めるのだが。

「御姉さまの命だ！　覚悟しろ！　このくそ変態タヌキ目がぁあああっ！」

　だけど今川氏真（今川家の悪役令嬢さま）命の、ヤンキークソガキの直虎は未だに俺に懐こうとしないから、平然と俺の身体を薙刀の柄で強く突いてくる。

　そして朝比奈泰朝の方はと言うと？　今川家きっての名家のお嬢と俺はわかり合ったはずなのに……。

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