第110話 サッカーをしてみよう! (1)

「よーし! このメンバーでサッカーと呼ばれる物をするぞ!」


「「おぉ~!」」


「「はい~!」」


「「あ~い」」


「……ではお互いコートに別れてください~」


 審判をする数正の兄ちゃんの声がコート内に放たれると、お互いがコートに別れて対峙……。睨めっこを始めると。


「ピィ~~~!」だ。


 笛の音がコートの外で内響く。


 そう、あの時の俺は岡崎衆家のメンバー達……。ヤンキー兄ちゃんや姉ちゃん達を、俺の知る歴史とは違い。俺は別に自分の尻を提供する小姓の身分ではないけれど。

 何故か俺に対して妙に甘い今川義元今川の親父さまへと嘘偽り無く、まだ西洋バテレンでも流行りをみせてはいないスポーツであるサッカーのことを織田信長から流行っていると聞いたのだと嘘をつき、アイツも織田家の家臣団でプレイをしたいと言っていたと。何かと織田信秀織田の親父さまに対してライバル意識……。


 まあ、親子揃って妙に張り合おうとする今川義元今川の父親さまへと、織田に先駆けてと呼ばれる手毬を蹴り、お互いが点を取り合う運動を今川氏真今川家の悪役令嬢さまが俺のような子飼いの家臣達を集めてプレイがしたいのだと説明をした。


 そしてサッカーの簡易的なルールも説明して、今川氏真今川家の悪役令嬢さまの子飼いの令嬢さま、家臣達だけでは、サッカーをするのに人数が足りないのだと、ちゃんと嘘偽り無く告げ。俺の岡崎衆達も呼び寄せてもよろしいか? と、氏真と雪斎和尚さまの口添えも加えて嘆願すれば。


「うむ、姫と竹千代とが中慎ましいのは、この今川家にしても大変に好ましい事じゃ、だから岡崎衆を今川館へと招く事を許可しよう」


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