第24話 誤魔化すでごじゃる(1)

「えっ、えぇ~と、えっと、ですね、あっ、はははははは」


 俺は武田信玄公の情報……。特に英霊さまのことをとは呼ばずに

 と俺は英霊さまの老いた時の名をついついと忘れて告げてしまったこと……。


 でも織田信長吉の阿保にはと言う名で言ってもアイツは、うんうんと頷いてくれた。通じくれていたから、俺は何も考えず未来の日本での呼び名で呼んだのだが、爺二人はふと思い出したかのように、中華の史記の話……。項羽と劉邦の楚漢戦争の物語は誰から聞いた? と尋ね、迫られている最中……。


「お、織田の吉姫さまでございます」


 あの時の俺は、フラれ捨てられたビッチ女の名はだしたくはなかったのだが、幾度の難題や戦……死地を何度も潜り抜けてきた武士もののふの爺二人の眼光は白塗りお歯黒麻呂や禿げた爺のお坊さんでも流石に鋭く怖いから、自分の額や頬……背中から冷や汗をタラタラと垂れさせながら答えた気がするよ。






「あの、おおうつけ姫かああああっ!?」


 俺の言葉を聞いて今川の親父殿が驚愕しながら尋ねてきた。


「は、はい。そうでございます……」


 俺は今川の親父さまに自分は未来から徳川家康として転生した! だから信長が餅をつき、豊臣秀吉が餅をこね、最後に俺が餅をうん! 美味い! と食べるのだ。あっ、ははは! だからこの戦乱の世を完全に治め、鎖国を実地……。生前俺がいた近代未来の日本……。俺の死……。過去への異世界転移の原因となった俺が生きていた頃によくある事件……。政府が掲げる移民政策のためによく起きている、未成年者の大和撫子を異国人の暴漢が凌辱行為をする性犯罪……。


俺は黒髪の大和撫子の涙を見て勇気凛々となり暴漢へと果敢に戦ったが、惜しくも敗れさり、殺害された……。


 まあ、そんなどうでもよい、いい加減な利権に走る国の政治家達とは違い、他国を侵略……。


そうもう直ぐこの世界にもやってくるであろう、キリスト教の布教の旗印に隠された植民地を探索しながらの、大海原を航海をして回り、略奪ばかりをしていた大航海時代にも関わらず。この小さな島国を400年近くも他国に侵略されることもない平和な国の基盤を作った征夷大将軍さまの俺は転生者なのだと、二人へと告げることなどできなから織田信長から教わったと嘘を説明をしたら。


 まあ、今川の親父さまが目が飛び出るほど大たまげた! をするものだから。


「うむ~。あの、うつけ姫にここまでの才……。知識があるとは先が恐ろしいでござるな、御方さま……」


 太原雪斎和尚も織田信長は只者ではないと認識して自分の舌を唸らせる。


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