概要
これから読まれる場合はは新版をおすすめいたします。
「神の料理人」とは、食した者に魔力を与える皿の作り手。
霊山で隠遁していた料理人は、突如かつて仕えた王の末子に踏み込まれる。
長い遁世の間に、国は内乱に陥っていた。
王子は料理の「力」で、父の権威を取り戻さんとする。
料理人は料理を「力」としか見ない王子に反発する。
祖国回復のため少しずつ歩を進める、料理人と王子。
だが二人の行く手には、かつての王が国土に、民に、そして息子に遺した数々の爪痕が姿を現す。
互いの魂の傷は、育まれた絆を通じ、やがて無二の覚悟へと昇華する――
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!シンプルに物語の完成度が非常に高くて読み応えがある作品。
恥ずかしながら私はブロマンスという言葉をこの作品で知った。
知らない人のために念のため引用しておくと
ブロマンスとは”2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる”(wikipediaより)
意味を知ってこの物語を読むと確かに完全無欠のブロマンスである。
ただ、私のようにブロマンスを知らなかった者でも心の底から楽しめる物語であった。
もしかしたらいや間違いなく、ブロマンスの意味を知って敬遠してしまうような人でも
楽しめると私は太鼓判を押したい。
物語の根幹としてブロマンスの要素はあるが、
シンプルにストーリーが面…続きを読む - ★★★ Excellent!!!過去に縛られた料理人と父王の影に足掻く若き王子。良質のブロマンス小説。
カリスマも力もある国王ヴィクトールが崩御。
その王に「神の料理人」としての才能を見出された主人公のルネ。
優しさ故に父王に疎まれ続けたが、血筋故に王位を継がねばならなくなった王子エティエンヌ。
乱れた国の秩序を取り戻すため、王都奪還の戦いへと二人は身を投じます。
冒頭からのお料理シーンでもわかるのですが。実に美味しそうな描写が続きます。
文脈から料理の匂いが漂ってきます。本作の魅力と特徴の一つです。
そして王都奪還の戦いの中で、育まれるルネと王子エティエンヌの絆、二人が縛られし過去から己の心を解き放つ過程も、成長物語として楽しむことができます。
スピーディーな文章運びで読みやすく、キャラ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神の料理人と不遇の王子が紡ぐブロマンス。最後まで見届けてほしい作品。
このお話は神の料理人ルネと、奪われた王都を奪還すべく立ち向かう王子エティエンヌの物語です。
まず神の料理人とはなんぞや?と思われることでしょう。
マナにあふれた食材を調理すれば、魔法の力を宿す料理が作れる。その料理を作れる者のことを神の料理人と呼びます。
王子エティエンヌはそんなルネの力を欲し、魔法の力を得ることで王都を奪い返そうと試みます。
物語の前半はルネの様々な料理の魔法で奪われた領地を奪還していくエピソードに加え、エティエンヌという人物の掘り下げにもスポットが当てられます。
父であり前王でもあるヴィクトールの呪縛に捕らわれているエティエンヌ。
ヴィクトールの元で「神の料理人」とし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!語彙が消失するような上質なブロマンスとファンタジー飯を召し上がれ!
絡み合う呪縛と因縁、故人の王に対するわだかまりや、それでも尚、恋い慕う想いが切なく胸に刺さります。
光あるところには影があるのと同じように、偉大なる王にも、冷酷な面があることを知ってしまい、逃げてしまった料理人。
父王に冷遇され、民にも侮られ、本来の実力を発揮できないまま育ってしまった王子。
そんな王子の真の姿を知っているからこそ、付き従い続ける従者——
た ま ら な い !!
同姓同士の関係性オタクには美味しすぎるお話でした。
料理魔法という斬新なアイデアと、男同士の激重感情が見事に調理され、読んでいて本当に美味しいお話に仕上がっているなぁ、本当に美味しいなぁ…美味しい…と思…続きを読む - ★★★ Excellent!!!親友の息子から無二の存在へ。関係性の変化が熱く「美味しい」ブロマンス!
「神の料理人」とは、力を持つ幻獣や神聖植物を調理し、食べたものに魔法の力を授けることのできる存在です。
神の料理人、ルネはその腕を奮って前王に仕えていましたが、とある事情で霊山にこもり隠居生活を送っていました。
そこに現れたのが、前王の末息子エティエンヌです。
彼は前王亡き後、内乱で荒れた国を治めるため、ルネの料理から得られる「魔法」の力を欲していました。脅されるようにしてエティエンヌに協力するようになったルネ。
初めは反発するものの、エティエンヌを取り巻く環境や彼の過去、さらには親友だった前王が遺した爪痕を知る内にエティエンヌを認め、互いに唯一無二の存在へと変わっていきます。
神の料…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ブロマンス! その一言に尽きる二人の関係性
幻獣を食材に料理を作れば、食した者を魔法使いにする神の料理人ルネ。
亡き王に仕えたルネを訪ね、自らの「王冠」として召し抱える王子エティエンヌ。
二人は魔法料理を食べ戦局を有利に進めていくのだが、極限状態の戦争の中、それぞれの関係性を見つめ直していく。
女性の趣向が強いブロマンス物語ですが、「幻獣料理」「戦略戦術」「立身出世」といった、男の子が好きそうな要素もたっぷり詰めこまれています。
事実男性の私も続きが気になり、3章終わりまで読み進めてしまいました。
それも丁寧な描写、考え抜かれた時代背景、世界観はもちろんのこと、主役二人の関係性に魅了されたから。
ブロマンス! その一言に尽きる二…続きを読む