語彙が消失するような上質なブロマンスとファンタジー飯を召し上がれ!

絡み合う呪縛と因縁、故人の王に対するわだかまりや、それでも尚、恋い慕う想いが切なく胸に刺さります。

光あるところには影があるのと同じように、偉大なる王にも、冷酷な面があることを知ってしまい、逃げてしまった料理人。

父王に冷遇され、民にも侮られ、本来の実力を発揮できないまま育ってしまった王子。

そんな王子の真の姿を知っているからこそ、付き従い続ける従者——

た ま ら な い !!

同姓同士の関係性オタクには美味しすぎるお話でした。

料理魔法という斬新なアイデアと、男同士の激重感情が見事に調理され、読んでいて本当に美味しいお話に仕上がっているなぁ、本当に美味しいなぁ…美味しい…と思わせてくれるお話です。

作中に出てくるファンタジー飯も、空腹時に読んだらもれなく胃袋が刺激されてしまう描写が素敵。
料理人ルネと王子エティテンヌの関係が徐々に変わっていくところや、その間に故人の王が挟まっている感じが……いい。
いい……としか言えない。

途中、ドキドキハラハラする箇所もありますが「ハッピーエンド」タグを信じてお読みください。
読後は清々しく幸せと希望と空腹に満ちた気持ちを味わうことができるはずですから。

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