食べては目指す王への道

 波乱万丈という言葉を地でいく美食相棒ファンタジー。一つ一つの料理が丁寧に考え抜かれているだけでなく、きれいごとではすまない政治の世界や情け容赦ない戦争のありさまなどもあますところなく描かれている。

 父親の幻影に振り回され惑わされるのは、王子本人もそうだが主人公を含む周囲の人々でもあるというのがまた秀逸だ。その意味では、王子が成長する物語であると同時に主人公が納得のいく主君(であり友)を得ていく物語であるともいえよう。

 最後に一言。

 『待て、早まるな。これは孔明の罠だ』

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