ある一軒の花屋を巡って展開される群像劇的作品。主人公は章ごとに異なるが、その全員が、この花屋の花を必要としている。何故ならこの花屋が大事にしているのは、人の心に寄りそう花束を作ることだからだ。
ある主人公は生きることに疲れていた。しかしそんな彼女に、花屋は花とは捉えられないような物を販売する。しかしこれがきっかけとなり、主人公は生きることに前向きになり、花屋に手作りお菓子を持って来るようになる。
ある主人公は女子高校生で、花を意中の男子に贈った後、SNSで「イケメン花屋」として紹介したことから、この花屋は連日賑わうようになる。
またある主人公は母娘問題で悩む女性、またある主人公は夫婦間で問題があった男性、またある主人公は……、と花と人間関係が組み合わせで物語は進んで行く。
実はイケメン花屋とされたこの花屋は、女性一人とイケメン男性二人で経営していた。そして、この花屋の三人には、それぞれ大切な人を失った過去があった。それでも三人は、花を通じて人々と関わる中で前向きに生きている。
果たして、三人の想いの行く先は——?
その花束が、人々の背中を押していく。
その花言葉が、人々の代弁をしてくれる。
人が人を思うことは、こんなにも素晴らしい。
読んで損のない素敵な物語です。
是非、是非、御一読下さい。
お花を贈る。
簡単なようで身近なようで、実はあまりそういう機会がなかったりするのも事実。
いざ贈ろうとしても、どんな花にどんな想いを込めて贈ればいいのか、結構困るのではないでしょうか?
ここでは、想いを伝えたいけどストレートに伝えられないとか、どうやって伝えたらいいのか分からないとか、色々な事情を抱えたお客さんたちがやって来ます。
そして、舞台となる花屋『フルール・デュ・クール』では、そんな悩めるお客さんに手を差し伸べて、真摯に向き合い、お花を選んでくれます。
さて、お客さんの想いはちゃんと相手に伝わるのでしょうか?
この世界が現実に存在するなら、きっとあなたも、イケメンの花屋の店員さんに相談をしたくなることでしょう。
連作短編ですが、店員さんたちにも複雑で決して穏やかではない過去を抱えていたりして、作品に深みを持たせています。
この作品を読めば、おそらく大切な人に想いを伝えるのに、花屋さんに行ってみようと思いたくなるのではないでしょうか??
「いらっしゃいませ! どんなお花をお探しですか?」
心が疲れた時、心の声を代弁してくれる花を教えてくれる花屋さんがあるらしい――。
ただありのままに咲く花を見て、『美しい』と思えることが出来たのなら。
好きな人に好きな人がいても、想いを表現することが出来たなら。
母親との関係に苦しみ、逃げ出した罪悪感から、「あなたは間違ってない」と解放させることが出来るなら。
一緒にいられなかった亡き人の、残した想いに触れることが出来たなら。
大切な人と喧嘩した時、「ごめん」と言えることが出来たなら。
道は交われなくても、遠くから親友を想うことが出来たなら。
そして、胸に秘めた想いはお客さんだけでなく、店員たちにも…。
きっと最後は暖かな気持ちになる連作短編です。
現代社会には悩める人がたくさん!
仕事で体調を崩したり、親と摩擦があったり、夫婦喧嘩をしたり。。。心がモヤモヤすることがいくらでもありますね☆
本作の花屋さんはそんな悩める人であるお客さんたちと触れあい、いっしょに悩み、彼らにピッタリの花束を作ってくれます。そして、その花束がお客さんたちの心を救ってくれる。いうなれば、この物語は『花を通じて人々が心の交流をする』ハートフルな癒し系のお話なのです。
しかも、男性店員さん二人がイケメンで、彼らは友人同士で仲がいい!
もともと癒される物語なのに、キレイな花に囲まれた空間にイケメンまでいて、とくに女性読者さんは癒されまくること間違いなし!
現時点でEpisode1~Episode6まで公開されていて、Episodeごとにメインのお客さんが変わる短編連作形式の小説なので、すき間時間でキリのよいところまで読むという読み方が可能な読み進めやすい作品です。
日常で、なかなか花束を贈ることがない方が多いのではないかと思いますが、このお話を読むと、花束を贈ったり、自分用に購入してもいいかな…と思わせてくれるような優しさと美しさを感じ取ることができるでしょう。
また、花言葉を重ねることで、まるで手紙のように静かに想いを伝えるシーンがホロリときます。
主要キャラクターたちは皆、少しずつ心の傷を抱えていて、支え合っています。
各エピソードのゲストキャラクターの心のわだかまりを解決することで癒されたり、うるっときたりするのですが、その度に、主要キャラクターたちの傷や想いに触れて、少しずつ彼らの魅力が浮かび上がってくる仕掛けが、とても良いです。
短編連作形式ですので、気軽に読めてほっこり癒されます。
多忙な日常を送っていて、日々に癒しと潤いを求めている方にピッタリなお話です!
苦労して入社できた最初の職場は、誰も彼も忙しさに追われていました。求められることを必死にこなす一年半で、雫の心も体も限界を迎えてしまいます。
引きこもりになってから、久しぶりに外に出てみようと思えたのは満開の桜が見たかったから。そんな雫の行動は、花屋『フルール・デュ・クール』との運命的な出会いを結び付けるのでした。
イケメン店員の優と雅のもとを訪れるのは、年齢も要望も違うお客様達。
花に込めたい思いや贈る相手のことを聞きながら、とっておきの花が選ばれていきます。
素直になれない気持ちを代弁してくれたり、自分の隠れた思いに気づかせてくれたりする花々が、心を温かくしてくれることでしょう。
私は面食いではありませんが、理想のタイプはあります。
恋愛ゲームで攻略するなら眼鏡属性重視だとかです。
おりました。
つかまえておきました。
優しくていい方です。
本作は、生花を扱っている店員さんを軸に、お客様がみえて、お客様の抱えるドラマを花束に花言葉とまごころを添えて行く、スターシステム的な要素を含み、楽しめます。
『フルール・デュ・クール』は、男性の店員さんが、イチャコラ(?)しながら、ときに女性のときに若いお嬢さんが訪れてます。
私の気になったお客様は、とある男性で、事情にはどうやら奥様の静江さんが関わっているそうです。
その他の登場人物で、奇遇にも同じ名前の方がいらしたり、一気に私は熱帯雨林でした。
暑いね。
エピソードから、静江さんのこと、個人的な家庭の事情と偶然少し似ており、うさぎさんの涙です。
やはり、ど直球は、ストライクですよ。
母のお見舞いを予約してあります。
届いて欲しいな。
本当なら、切り花で百合をお願いしたいです。
野の花でもいいですよ。
置けないので、日本画のをあげましたけど、父には分からないのが残念です。
イケメン店員さん、花束をよろしくお願いいたします。
是非、ご一読ください。
誰かに花を買ったこと、贈ったことってありますか?
自分はほとんどありません。
花って、よほど好きでなければ普段は買いませんし、贈る機会って特別なことでもなければ滅多にありませんからね。
ですがそんな特別なことだからこそ、買う時、贈る時は、どれがいいかよく考え、寄り良いものを選びたいのかも。
そして花屋さんの役目は、ただ花を売るだけでなく、そんな人たちのお手伝いをすること。
少なくとも、本作に登場する花屋『フルール・デュ・クール』は、『贈る人の心を映し出した花束を作ること』をモットーとし、お客様の心に寄り添った対応を心がけています。
やってくるお客さんの中には、なかなか訳アリの人もいます。
その人たちの事情をいちいち全部聞くわけではありません。ですがちょっとしたことからそれを察し、花束を作るという形で力になることはできます。
それだけで、大きな何かが変わることはないかもしれない。
ですが真心込めて選んだ花束は、きっと相手の心に届くことでしょう。