不遇の王子と唯一無二の料理人

 霊山で隠遁生活を送る元料理人・ルネ。そんな彼を探しに現れたのは、先王の息子で、内乱を生き抜くエティエンヌ王子だった。
 その皿を食べた者は強力な魔法を使えるようになる、奇跡の料理人であるルネの力を借りて、エティエンヌは祖国を治めようと動き出すが……。

 ルネさんの乾いた語り口がかっこよく、一気読みは必至。
 エティエンヌの人となりや生い立ちが明かされるにつれ、その人間的魅力の虜になること間違いなしです。
 それは読者だけでなく、ルネさんも同様なのでしょう。徐々にエティエンヌに対する感情が大きく膨らみはじめ、そこへかつての友である先王の面影もちらつくものだから、切なさの極みです。
 ブロマンスが苦手な方、読んだことがない方でもハマれると思います。

 

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