二人の登場人物がただただトンネルを歩く。二人はどこへ行きつくのか。
状況と心情が淡々と書き連ねられているだけなのに、引き込まれます。
二人の会話も言葉少ななのに、ちゃんと核心を衝いていてドキリとさせられることも。
自分は、茉莉さんの他の小説作品やSNSでの活動を見知っています。
そういう立場だと、こういう作品は「本物の茉莉さん」の姿を垣間見ているような気にさせてくれます。
そうか、これがこの人の心象風景なのか、なんて。
でもそれはたぶん野暮な読み方でしょう。
無理に何かを読み取ったりせずに淡々と読むだけでも、この作品の魅力は十分に味わえるはずです。