このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(153文字)
二人の登場人物がただただトンネルを歩く。二人はどこへ行きつくのか。状況と心情が淡々と書き連ねられているだけなのに、引き込まれます。二人の会話も言葉少ななのに、ちゃんと核心を衝いていてドキリとさせられることも。自分は、茉莉さんの他の小説作品やSNSでの活動を見知っています。そういう立場だと、こういう作品は「本物の茉莉さん」の姿を垣間見ているような気にさせてくれます。そうか、これがこの人の心象風景なのか、なんて。でもそれはたぶん野暮な読み方でしょう。無理に何かを読み取ったりせずに淡々と読むだけでも、この作品の魅力は十分に味わえるはずです。
二人の女性が言葉少なにトンネルの中を歩いている。 本当にたったこれだけのあらすじなのに、ものすごく物語が動いている。独特の空気感が最初から終わりまで途切れることなく続いている。とてもひき算の上手い作品。かっこいいです。大好き!!
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