第19話 詐欺師にご用心
-夏休みが終わって-
夏休みが終わって2学期が始まった。
初めて教室に入ると、俺が最初は誰か分からなかったクラスメイトが聞いて来た。
「もしかして七市か?」
「そうだよ。夏休みの間に勉強とダイエットと運動をしてたらこうなったんだ」
「お前、ずいぶん変わったな!まるで別人みたいだぞ!」
「まぁ、その為に苦労してダイエットと運動したからね!」
「それにしても変わりすぎだよ」
「ははは。まぁ、良いじゃ無いか」
そういった挨拶を何度か繰り広げて席に座る。
席に座り、次の授業の用意と課題を机の上に出しておく。
『皆の見る目が違って気分はどう?』
――あまり変わらないかな?
『そうなの?』
――本当はもっとすっきりして鼻が高くなるかと思っていたんだけど、実際になってみるとこんなもんかって感じがする。
『友人がいないからじゃ無い?』
――行き成り刺してくるの止めてくれません!
『事実じゃ無い』
――今日のアカシャさん何かありました?俺にとても攻撃的ですけど?
『そろそろバイトとかも無くなったんだし友達でも作れば良いのにと思っただけよ』
――今から友達を作ろうというのもそれはそれで難しい話です!
『それじゃ、彼女は?』
――それはなおさら無理です。
『もう!話し相手なら大丈夫でしょう?』
――話し相手くらいは俺にもいますよ。まぁ、大抵用事のある時とかだるい時とかに話すぐらいですが・・・・・・。
『それって話し相手って言えるのかな?』
――それ以外になんと?
『う~ん、難しい線引きだね』
――まぁ、話し相手は一応いるって事で!
『あ~、うん。君がそれで良いならそれで良いや』
気になる話の締め方だったけど全力で気にしない事にした。
朝のホームルームが終わり授業が始まった。まずは課題の回収からだ。後ろから前に課題を回してくるので受け取り、俺の課題を乗せて前に渡す。
そうこうしている間に昼休みに大副社長から電話が掛かってきて積水ハウルの社長が重機を売りたいと言ってきたんだが一緒に行ってみないかという誘いだった。
いつかと聞くと明日の夜という。
アカシャに聞いてみた。
――アカシャ、明日の夜に積水ハウルの社長が重機を売りたいと言ってきてるんだけど、これって大丈夫かな?
『十中八九リース中の重機を売りつけて此方に損害を出す気ね』
――て事は断った方が良いの?
『向こうがそのつもりなら此方も相応の準備をして購入すれば良いのよ』
――例えば?
『今、重機を持ってこいと言われている重機置き場に製造番号が貼り付けられているのを剥がせと言う指示が出るだろうから、前もって積水ハウルが正規で購入した重機の製造番号のプレートを外して持って行けば勘違いするでしょ』
――そう上手くいくかな?
『人間って嫌な事があれば誰かに回したいものだから上手くいくわよ』
――それじゃ、やってみますか。
『それが良いわ』
学校が終わってから俺は工具を持って隠匿を発揮しながらアカシャの指示に従って重機置き場で正規に購入されたとアカシャが言った物のプレートをアカシャの指示で外していた。
10台外した所で”もう良いわ”とアカシャの指示があったので止めて外したプレートやネジはインベントリに入れて警備カメラに写らないように気を付けて移転魔法で帰った。
翌日の夜、大副社長と一緒に行くとプレートの無い重機が10台並んでいた。重機の種類は多岐にわたるけど、大副社長が言うにはどれも数億円~数十億円する物らしい。
アカシャから相手の提示値の100分の1の値段で購入出来るのでしろと言われているのでその事を大副社長に言っている。
積水ハウルの社長の許可を取り撮影しながら話は進んでいく。最初の提示値は新品価格の半額を言ってきたが、此方が製造番号のプレートが何故全部無いのかと問い詰めると、その為に今回売却する事になったと言ってきた。
リース品やローン品では無いのだなと言うとそうだと言う。
だが、持ち金が無いのでとてもじゃないが購入出来ないから帰る事を伝えると、相手は幾らなら購入出来ますかというので、向こうの提示価格の100分の1を言い、この提示価格なら全台購入しても良いと言った。
そうすると向こうは集まって相談していたが、小切手で一括払いでならそうしても良いとの返事だった。
契約書を作りお互いに実印を押した後で小切手で一括払いした後、購入した車両が入れ替わったら嫌なので積水ハウルの社長に目印を付けて貰って向こうの社員も手伝って大福建設の車両置き場に計十台置いた。
翌日、購入したメーカーの方に保守契約をして欲しいと持ちかけるとメーカーが来て製造番号が無くなっていますがどうされましたというので積水ハウルがそれを理由に格安で売ってくれたと言うと、じゃぁ、製造番号確かめて見ますねと言い、エンジン部分を開けて何かを調べているみたいだった。
幸い、積水ハウルに正規で売った物でリースでもローンでも無いと言う事で保守契約と新しい製造プレートを取り付ける事になった。
この件で大福建設に現金が乏しくなったのでもう10億円書類を交わして貸し付けた。
――でもなんで積水ハウルの社長はあんなに買わせたかったんだろう?
『大福建設がいきなり手形を現金にしてくれと行ってきたから資金繰りが悪化するのが早まったとでも思っているんでしょう。ようは腹いせに盗品?買わせて評判を下げようと思ったんでしょ』
――成る程ねぇ。
◇
ダンジョン662階層を探索中だ。
今の所、何の変化も無い。
「わたくしはもう嫌です!牛鬼や馬頭、コカトリスやバジリクス、食べられる箇所が無いのも食べたら死ぬのも嫌です。普通の食材になるモンスターが出てきて下さい!」
「あたしも良い加減食材になるモンスターが良いぞ!」
「クレイジーカウは牛肉でとても美味しかったですね。又、出会わないかな?わたしが料理するからさぁ~」
「私も出会いたいですが運次第ですので何ともなりませんね」
そうこう話してる内に大きな扉の前に立った。
「あ!これってもしかして中ボス部屋?」
「そうかも?」
「じゃぁ、食材にはなりませんよね」
「私達がやるしか無いんです行きましょう」
重厚な扉を開けて中に入ると三つ叉の首を持つ竜が居た。
「げ!ヒドラですか、わたくし毒持ちは嫌いです」
「あたしもって言うか好きな奴がいるの?」
「わたしはいないと思うな」
「皆さん、油断なさらずに来ますよ!」
1つ目の首が大顎を開けて食いつこうとしてくる。2つめの首は雷を放とうとしている。3つめの首はブレスを吐く準備をしている。
1つ目の首に
2つめの首はエルサが弓で頭を打ち抜く。
3つめの首は
その上、ミアが糸で3つめの首を切り落とす。
俺は1つ目の首を夜桜で切り落とす。
切り落とされた首達はたちまち火炎に包まれて無くなり、1つ目の首を炎で焼かれた首以外は再生を始めるが、それを許す召喚獣達では無い。
エルサが
3つめの首は再生中に
これで残ったのは最後の一つの尻尾である。
だが、待って欲しい首を全て落とさなくても胴体を破壊すれば終わるのでは無いか?と言う脳筋で
結局、ヒドラでも胴体が潰れたら死ぬよねという事で死んでしまった。
ドロップは変わった人形が3個出てきた。
鑑定するとどっぺる君と言い、ドッペルゲンガーの如く背中の蓋の中に血の付いた布だの毛だのを入れるとその人と瓜二つに成り、思考も似ているのでオリジナルのかわりに学校に行かせたり出来るらしい。
それに、背中の蓋を外して入れた物を取り出せばどっぺる君が体験した事は全てオリジナルの記憶や体験になるという優れものだった!
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